初年度
学園編
TURN-04『もう1人のイレギュラー』
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【章刀side】
‥‥‥‥眠い。
果てしなく眠い。
さっきからそんなことばかりを考えていた。
考えていた≠ニいうよりも、むしろ本当に寝ているかも知れないとさえ思う。
それほど、今の状況は退屈だった。
現在、俺たち1年生はクロノス教諭の授業を受けている。
年齢的には高校生の俺たちだが、使用している教室は一般の学校のようなものではなく、どちらかといえば大学の講義室のような感じだ。
クロノス教諭が教鞭を執る授業内容は、大雑把に言えば『カードの種類について』ってトコだろうか‥‥。
しかし元の世界にいたころ──つまり俺がまだ一般人として生きていたころは、OCGやPSPをかなりやりこんでいたので、今さらこんな授業など聞く必要も無いし、聞く気にもならない。
つまり、さっきも言ったように、俺にとっては退屈≠セってことだ。
聞く気云々はどうかは知らないが、必要性に関しては、恐らく他の生徒も同じだろう。
そもそもここは世界有数のデュエリスト育成機関であるデュエルアカデミアだ。
そこに入学できた奴らがこういったことを理解していない方がおかしいと俺は思う。
そんなことを考えていると、それがまるで暗示のようになり、余計に睡魔が襲ってくる。
──あ、やばい、また睡魔が。
俺がウトウトしていたその時、背後からドッと笑い声が起こった。
その声に驚いて、俺は思わずビクッと反応してしまう。
人に見られるとかなり恥ずかしい──個人の主観による──仕草だが、幸い周りの生徒は他のことに焦点を合わせていた為に、俺のことはスルーされていたようだ。
「ふぅ‥‥。なぁ三沢、何があったんだ?」
ホッとして、俺は隣の席に座っている三沢に現状を訊ねる。
「ん? 章刀、起きたのか」
「ま、まあな」
三沢の言葉に苦笑で返す。
やっぱり寝てたのか、俺‥‥。
「ま、まあそれは置いといて‥‥。何だよこの嘲るような笑い声は」
背後──オベリスクブルーの生徒たちの方──から聞こえてきた笑い声は、爆笑というよりはむしろ嘲笑に近かった。
「ああ‥‥。まあ平たく言えば、クロノス教諭のいびりだな」
そう言う三沢の表情は、あまりいい感じはしていなかった。
クロノス教諭のいびり
三沢にそう言われ、なるほど≠ニ思い出した。
翔がクロノス教諭に指名されて、答えられなかった場面だ。
ブルーの生徒が腐したこともあって、翔やその他のレッドの生徒が貶されていたのだ。
俺はチラッと翔の表情を窺う。
その表情からは、問いに上手く答えられなかったことに対する、または笑われたことに対する悔しさや恥ずかしさが見て取れる。
それでもどこ
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