第3章 揺れる想い
3-1 すれ違い
すれ違い
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らな。そこって、すごくデリケートなんだろ?」
「うん。こんなに乱暴に擦られたら痛くてエッチどころじゃなくなるよ、きっと」そしてマユミはケンジの顔を見上げた。「ケン兄は優しく触ってくれるよね、いつも」
ケンジは頭を掻いた。
「なんで? なんでデリケートだって知ってるの?」
「立ち読みした」
「立ち読み?」
「うん。本屋でこっそり『本当に気持ちのいいエッチ』っていう本。女医さんが書いたとかいう本」
「そうなんだー。すごいね。ケン兄ってやっぱりフェミニストなんだね」
マユミは嬉しそうに言った。
画面上では、いつしか仰向けになった女優に男優が覆い被さり、正常位で挿入したペニスを大きく出し入れしていた。時折男優は下になった女優の唇を吸ったり、背を丸めて乳首を咥え込んだりした。その度に女優は身体をくねくねとよじらせ、大きな喘ぎ声を出した。
「確かにオーバーアクションかも……」
「だろ?」
出し抜けに男優は身体を離し、焦ったように女優の頭の横ににじり寄って膝立ちになると、ペニスを右手で握り、彼女の顔に向けた。
うっとりとした表情の女優の顔に向かって、白い液が何度も容赦なく迸り、その瞼や唇、頬にまつわりついた。
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「うわあ……」マユミは凍り付いたように身動き一つせず、その画面に見入っていた。
ケンジが先に口を開いた。
「俺、イヤだな、こんなコトするの」
「そうなの?」マユミは意外そうな顔をケンジに向けた。
「相手の顔に放出するなんて……」
「男の人にとっては、女性を凌辱してるみたいで興奮するんじゃない?」
「俺、マユを凌辱したいなんて思ってないから」
「いつかやってみて」
「ええっ?!」
「どんな感じなのか、あたし経験してみたい」
「いやだ。断る。絶対やらないからな、俺」ケンジは赤い顔をして言った。
「そんなに目一杯否定しなくても……」マユミは呆れたように笑って立ち上がった。
ケンジはDVDディスクを取り出し、元のように引き出しの奥にしまった後、パソコンをシャットダウンさせて、マユミに向き直った。
「俺は、マユの身体を自分の一人エッチの道具になんかしたくないんだよ」
そして彼はマユミの頬を両手で包みこんでそっとキスをした。
「ごめんね、ケン兄」
ベッドに座り直してケンジとマユミは語り合っていた。
「何が?」
「今、生理中だから、エッチできないね」
ケンジは肩をすくめた。「気にするな。おまえを気持ち良くする方法はいっぱいある」
「ケン兄も出したいんじゃない? あの男優さんみたいに」
「マユの匂いを嗅いだり、おっぱい吸ったりする事はできるだろ? 最後はティッシュに出せばいいわけだし」
「やっぱりゴムがあった方がいいね……」
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