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Chocolate Time
第3章 揺れる想い
3-1 すれ違い
すれ違い
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 8月6日。日曜日。

 夜、ケンジの後にシャワーを済ませたマユミは、いそいそとケンジの部屋を訪ねた。
「マユ」ケンジは嬉しそうに両手を広げて、その妹の柔らかな身体をぎゅっと抱きしめた。
「マユー」ケンジはまたそう呟きながら、くんくんとマユミの首筋やうなじの匂いを嗅いだ。
「やだー、ケン兄くすぐったいよ」
「いい匂いだ、マユ」
「シャンプーの匂いでしょ?」マユミは笑いながらケンジのベッドに腰掛けた。
「アイスコーヒー、作っといたから」ケンジがそう言って、氷で冷やされたコーヒーのデキャンタを手に持ち、二つのグラスに注ぎ入れた。

 エアコンの風が、マユミの頬を撫でた。

「ねえねえ、ケン兄」
 コーヒーを飲む手を止めて、マユミが唐突に言った。
「何だ? マユ」
「ケン兄さ、エッチなDVD持ってる、って言ってたよね?」
「なっ!」ケンジは一瞬絶句して顔を赤らめた。「何だよ、いきなり」
「あたし、観てみたい、それ」
「えっ?」
「ねえ、観せてよ。あたし観た事ないから興味ある」
「で、でも、おまえ気持ち悪い、って思うかも知れないぞ」
「いいの。それでも。ね、ケン兄、お願い」

 ケンジはしぶしぶ机の上のノートパソコンを開き、机の奥に隠していたラベルのないディスクを取り出してセットした。
「自分で買ったわけじゃないんだね。それ、コピー?」
「う、うん。友だちから借りて焼いた」
 画面に艶めかしいピンク色のロゴが表示され、いきなり男女のキスシーンがアップになった。
 椅子に座らせたマユミの隣に立ったケンジは、ごくりと唾を飲み込んだ。
「わあ……すごい、濃厚だね。昨夜のケン兄のキスもこんなだったね。マネしたんだ」
「う、うん……」

 それから画面の中の男女は服を脱がせ合い、最初に男優が女優の秘部を舐め始めた。
『ああん……気持ちいい、あ、あああ……』
 それから今度は男女が逆になり、大きく反り返った男優のペニスを、女優が長い髪を掻き上げながら咥え、じゅるじゅると淫猥な音をたてながら吸ったり舐めたりした。

「ケン兄のの方がおっきいね」
「な、何言ってるんだ、マユ。は、恥ずかしいコト言わないでくれ」

 男優が脚を伸ばした上に、女優が後ろ向きで跨がり、その谷間にペニスが挿入され始めた。
『ああ、ああああ……』女優は仰け反り、甘い声をあげた。

「あたしもケン兄のが入ってくる時、とっても気持ちいいよ」
「そ、そうなのか……」

 女優が腰を上下に大きく動かし始めた。背後から手を回し、男優が女優のクリトリスを激しく指で擦り始めた。女優はさらに大きな声で喘いだ。ケンジは焦って画面のボリュームつまみを下げ、音を小さくした。

「こんな事されたら痛いだけだよ、あたし……」
「これは演技だか
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