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魔法薬を好きなように
第18話 水の秘法薬
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法が不明だ。もし、その手の研究をおこなっているとしたら、アカデミーであろうが、あそこから運びだせば、噂ぐらいは飛び込んでこよう」

親父は表向きはともかく、本当の仕事は諜報委員だから、そういうのは話がとどいていて不思議でなかったんだけどなぁ。わからないのは仕方がない。俺が裏の社交界で遊んでいたのも、ベッドの中での寝物語の一部を親父に売っていたというのもある。あとは親父も独身でそういうのは好きなので、精力のつく魔法薬を親父に合わせてつくっているのも小遣いのもとなんだが。

「ふーん。あとは何か変わったことでもあったのかな?」

「お前にとってはいささか驚くことが一つだな」

「へー、何?」

「アンリエッタ姫殿下が結婚の前だったので、公にされていなかったが、ワルド子爵が裏切ってアルビオンにいるそうだ」

たしかに、驚かされる話だが、なんとなくそういう雰囲気もあったような気はする。まあ、いまさらだが。

「……それっていつの話?」

「3週間ほど前だったかの」

「って、アンリエッタ姫殿下が、ゲルマニアからもどってきたころかな?」

ワルド子爵も爵位が高いとはいいきれないのに、元帥に匹敵する魔法衛士隊隊長に若い年齢でなったから、まわりから結構うとまれていたみたいだからな。あのあたりになると政治にも敏感にならざるをえないから、トリステインの現状を見限ったってところなんだろうけど、今回のトリステインの勝利をどうみているのかな。

「たしか、それぐらいだったはずじゃ。それと今回の戦勝で、アンリエッタ姫殿下は女王となられることになりそうだ」

「なんだよ、それ」

「率先して、戦場に出向いて、それで勝利したからだろう」

「そのあたりの情報が、トリステイン魔法学院にいると、さっぱり入ってこないんだよなぁ」

「仕方がなかろう。それで、今日はどうするつもりだ?」

「彼女の家に寄ってみようかなと思っていたけど、母親の誕生日の買い物だっていうし、モンモランシーが魔法屋へ行くっていっているから、そっちのつきそいだね」

「彼女? 聞いていないぞ」

「そういえば、言ってなかったっけ。ティファンヌ・ベレッタっていう、アルゲニア魔法学院に通っている子だよ」

「その子には、もう手をつけているのか?」

「なんつーことを聞く親父だよ……まだだよ」

俺は、さらっと、嘘をついたが、医師に診せようがわからんだろうから、それほど気にすることもない。

「お前が、まさかのー」

「どんな目でみてるんだよ。親父は」

「いやいや。今度、都合がよい時につれてきなさい」

「まあ、夏休みあたりにでも、顔ぐらいは拝ませてやるよ」

「ほほー、楽しみだな。それから、ミス・モンモランシの体調はどうな
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