第三十二話 風紀委員と風鈴と
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。鞄を爆弾だと思い込んでたらしくてね」
初春さんと白井さんは俺から話を聞いていたので御坂さんが居ることに驚くこともなく、固法さんは俺を通じてこの二人と御坂さんが知り合いだと思っているので普通に話している。
「でも、何で御坂さんがジャッジメントの仕事なんてしてるんですか?」
ちょうどタイミングだと思ったのだろう、佐天さんが固法さんに尋ねる。
「え? 彼女、ジャッジメントの新人だと思ってたんだけど……彼女が腕章を持ったままボーっと立ってたから、ついサボってるんだとばかり思って……」
佐天さんの言葉で御坂さんがジャッジメントとは関係のない一般人だと察したようで、固法さんがかなり言い訳じみた返答を始めた。
「それで、初春さんの腕章を持ってただけの御坂さんをジャッジメントの仕事に引っ張りまわしてたんですね」
固法さんの様子を見ていると、つい面白そうだと思ってちょっと意地悪く説明する。
「えー!? あれ、初春さんの腕章だったの?」
「はい、多分。御坂さんとファミレスに居た時に忘れちゃったんだと……」
驚く固法さんに初春さんが状況を説明するが、腕章を忘れたのは初春さんなのでかなり申し訳なさそうな感じである。
「そっか、私の勘違いで無理矢理御坂さんを引っ張りまわしちゃったのね。でも、それならそうと神代君があの時言ってくれれば良かったのに」
反省の色を見せる固法さんだったが、勘違い中に一度会っている俺へ矛先を向けてきた。
「最初は確かに何で御坂さんがジャッジメントの研修とかしてるんだろうって思いましたけどね。見ると固法さんは普通に指導してたし御坂さんは妙に緊張してるっぽかったし、『常盤台のレールガン』がジャッジメントの仕事をするって事になれば犯罪発生率が下がるかもしれないし、それを見込んだ上で御坂さんを臨時とか特例のジャッジメントに据えようってことにでもなったのかなーと思いまして」
非難するような視線を送ってくる固法さんに答える。何とか体裁は整えているものの、こんな言い訳で果たして大丈夫だろうか。
「あー、そうだったのね。……ん? 常盤台のレールガン? もしかして、御坂さんって、あの御坂美琴さん!?」
「そうですよ、固法先輩」
固法さんが一度納得した後「ん?」と言った時には、言い訳のおかしな部分を突かれるのかとヒヤヒヤしたりもしたのだが、固法さんが引っかかったのはレールガンの部分だった。研修をしていた時には何度も呼んでいたのに、どうやら御坂という苗字だけではレールガンに思い至らなかったようで、ここにきてようやく驚きの声を上げる。それに対して初春さんが冷静に答えていた。
「ところでさ、その御坂さんをいつまでもあのまま放っておいていいの?」
「……あっ
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