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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆仲間の死を糧に
第四十九話 新生《月夜の黒猫団》
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ス』へ帰還した。

 《リトル・エネミーズ》時代にマルバとシリカは二人でよくギルドの行き先などを決めていたものだったが、《月夜の黒猫団》に加入してからはサチを含めた三人でギルドを運営するようになった。かつて《月夜の黒猫団》は正リーダーだったケイタが一人で新聞等から方針を考えて提案するという形で運営されていたため、ケイタが死んだ今、サチだけでは方針がうまく定まらず、ギルド運営経験の長いマルバとシリカを混ぜて話し合いをするようになったのだ。
 今、ギルド運営役の三人の前には、情報屋アルゴから入手した各種インゴットの入手先と、新たに発見されたダンジョン・クエストに関する新聞記事が並べられている。
「アイリアさんの武器は新しく手に入ったのでいいとして、サチさんの盾、さすがにそろそろ新しくした方が良さそうでしたよね」
 シリカがサチの盾の新調に必要な重量系インゴットの入手先を次の目標として提案するが、サチは首を振った。
「私の盾はこの前のモンスタードロップで特殊強化できるから、それでとりあえず十分だよ。それより、新しいダンジョンが気になるな。要求レベルはそこまで高くないし、まだ開けられてない宝箱とかありそうじゃない?」
 七十五層とそれより下層がバグにより断絶して以来、七十五層以上の最上層に存在する攻略組のプレイヤー数はかなり減っているので、新発見のダンジョンも踏破されるまでにかなり時間がかかる。サチの言うとおり、今から行けばまだ宝箱の中身をたくさん入手できる可能性がある。
「でもねー。そのダンジョン、洞窟系でしょ? いいかげん洞窟は飽きたよ。それより、森林地方の採取系クエストがいいんじゃないかな。その報酬があれば、一週間くらいは結構おいしい料理が作れるよ」
 マルバの意見は一見わがままにも思われるが、実は結構重要な話だ。彼らは最近ずっと迷宮区へ続く道をマッピングしているところだが、ずっと洞窟続きなのでかなり嫌気が差している。せっかく攻略を一時中断しサブダンジョンに挑むというのに行き先がまた洞窟なのだとしたら、効率も下がるだろう。未踏破ダンジョンを嫌々攻略するのより、すでに攻略された場所を注意深く探索した方がさまざまな発見がある……こともある。更にクエストの報酬アイテムが料理の調味料の原材料となるため、むこう一週間ほどおいしい料理が作れるようになる。これはかなり魅力的だ。
「うーん、悩みますね。わたしはダンジョンもクエストも両方気になります。その採取系クエストって所要時間どれくらいですか?」
 シリカの質問に対し、マルバは新聞を調べて答えた。
「二つあって、両方を並行してやれば三時間半かな」
「それじゃ、午前中にそのクエストを終わらせて、お昼はおいしいやつ、作りましょう。それで気分を一新したらダンジョンに行って、四時間くらいで早めに帰ってくる
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