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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆仲間の死を糧に
第四十八話 先に進む勇気を
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なくなっていた。七十五層の戦いで前衛と後衛から一人ずつ犠牲者を出したせいだ。
 マルバは思わず彼らに声をかけた。そうすることで状況が好転するとは思えなかったが、それでも声をかけずにはいられなかった。
「一緒に町まで帰りませんか」
 彼らは、力なく頷いた。


 ただ、お互いに無言だった。なぜかモンスターにも会わず、彼らはただ黙々と歩いた。洞窟の出口が見えたころ、サチは誰にともなく言った。
「《月夜の黒猫団》を、解散しようと思うの」
 《月夜の黒猫団》の皆は、一瞬びくりとしたものの、何も言わなかった。理由は明らかだったため、《リトル・エネミーズ》の皆は何も聞かなかった。短剣使いのダッカーと棍使いのケイタを喪い、彼らの構成は防御に偏りすぎていた。盾使い二人に長槍使い一人では、攻撃が手薄になるのは当然だった。
 マルバも、誰にともなく言った。
「《リトル・エネミーズ》も、もうこれ以上続けることはできない」
 シリカとアイリアがびくりと肩を震わせたが、何も言わなかった。理由は明らかだったため、《月夜の黒猫団》の皆は何も聞かなかった。大盾使いのミズキを喪い、彼らの構成は攻撃に偏りすぎていた。短剣使い二人と槍使い一人では、敵の攻撃を防ぎきれないのは当然だった。

 ただ二言だけを交わして、その後は皆、また無言だった。洞窟からフィールドへと踏み込むと、そこには草原が広がっていた。その瞬間、サチとマルバは、これまでの仲間と一緒にこれからもこの世界を戦い抜く方法を思いついた。瞬時に顔を見合わせると、後ろに続く仲間たちを振り返る。サチが先に提案した。
「《月夜の黒猫団》も、《リトル・エネミーズ》も、もうひとつのグループとしてやっていくのは無理だよね。それなら、この二つのグループで一緒にやってくのはどうかな。見知らぬ仲ではないし、今までだって何回も共闘したことがあったよね。このまま解散してしまうよりは、ずっといい選択肢だと思うんだけど、どうかな」

 彼らは、互いに顔を見合わせた。しばらく誰も何も言わなかったが、長槍使いのササマルが沈黙を破った。
「俺は……死んだあいつらのためにも、まだこの仲間と一緒に攻略を進めたい、そう思う。あいつらは、俺たちがみんな揃って現実世界に帰ることを望んでいたんだから。だから、皆がいいと思うのなら……一緒に、やりたいと思う。いや、お願いします。ゲームクリアを目指して、俺と一緒に戦ってください」
 ササマルは頭を下げた。ササマルに続き、テツオも無言で頭を下げた。

「わたしはこの世界を生きて、大好きな仲間と出会いました。ずっと一緒に戦って、現実世界に一緒に帰るんだって思っていたのに……。あたしはもう、これ以上仲間を失うのはいやなんです! だから、これからも一緒に、いっしょに……ッ!」
 シリカの訴えは、主にアイ
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