ユグドラシル編
第15話 紘汰vs裕也! 希望の対価とは
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から覚めて日常に逃げ帰るかのどちらかだ」
「どっちもバッドエンドじゃねえか」
「弱いってのはそういうことだ」
サガラはカウンターに飾られた果物を一つ取ると、手の中で弄びながら個室席に戻った。
「だがそういう奴にこそ、身の丈に余る悪運が巡るのが世界の皮肉だ」
かたん。ガラスのテーブルに何かが置かれた音。
紘汰はカウンター席を立って個室席に入った。
テーブルには、紘汰が見たこともない、橙色のごつごつしたロックシードが置かれていた。紘汰はそのロックシードを手に取り、サガラを見返した。
「あの世界の人類に似た文明は、ただ滅びたわけじゃない。ごく一部の者はそれを凌駕する力を手に入れて、森の植物を意のままに操ることができる。それが――オーバーロード」
そのオーバーロードが“森”を支配しているのか。彼らならば“森”を自分たちの地球に侵食するのを止められるのではないか。
紘汰の頭に希望ある想像が広がった。と同時に、疑問も湧いた。
「ユグドラシルは気づいてないのか?」
「最初に気づいた奴が秘密にしちまったのさ。そいつは人類救済より個人の野望を優先した」
「――戦極凌馬」
該当する人物など一人しか思いつかなかった。
「あいつより先にそのオーバーロードに辿り着ければ、侵食を止められるのか」
「そう簡単に運ぶ話かは、お前ら次第だな」
サガラはさらにガラステーブルにロックシードを置いた。タンポポの刻印がされたロックビークル。
サガラは爬虫類を思わせる笑みを刷いた。
次の瞬間、店内が明るくなり、紘汰は一人で個室席に座っていた。
「何やってんだよ、紘汰。タヌキにでも化かされたか?」
手の中には夕焼け色のロックシードとタンポポのロックビークル。
――夢ではない。
紘汰は勢いよく立ち上がり、阪東に千円札を押しつけてから店を飛び出した。
紘汰はユグドラシル・タワーが見える広い階段上まで来て、ベルトを装着した。
(守るためじゃなく、壊すための力だとしても。どんな決断にも犠牲は付き物。そんな条理をぶっ壊せるなら。お前たちの絶望を、諦めを、ぶち壊すだけの力があるなら)
「変身!」
《 オレンジアームズ 花道・オン・ステージ 》
タンポポのロックビークルを展開し、それに乗って空を翔けてタワーを目指した。
(まず最初にぶっ潰さなきゃならないのは、俺たちの街を絶望させる物!)
スカラーリングに近づくと、幾千と赤い光の弾丸が撃ち出された。鎧武はダンデライナーを繰ってそれらを避けていたが、ついに撃墜されてしまう。
だが鎧武は慌てない。落下しながらも、サガラから得た新しいロックシードを開錠した。
《 カチドキアームズ
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