暁 〜小説投稿サイト〜
ロード・オブ・白御前
ユグドラシル編
第13話 最終防衛ライン
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
紘汰さん、そろそろ行って」

 紘汰は答えなかった。ただ踵を返して走って行った。それを最後まで見届けず、巴は前に向き直った。

「待ちなさい!」
「放っておきたまえ」
「しかしっ、あの方角には我々のクラックが」
「本部には貴虎も()()()もいる。どうとでもなるさ。我々は我々で、こうして残ってくれたお客様をもてなそうじゃないか」

 10人近い量産型黒影と、湊耀子、そして戦極凌馬。正直、巴のほうが走って逃げたい布陣だ。

「キミ一人で我々を足止めできるとでも?」
「思いませんが、そちらの方には借りがありまして」

 巴は量産型ドライバーにアーモンドのロックシードをセットし直し、カッティングブレードを落とした。

《 ソイヤッ  アーモンドアームズ  ロード・オブ・白鹿毛 》

 薄桜色のライドウェアとアーモンドの鎧が巴を装甲し、アーマードライダーへと変貌させる。

『アーマードライダー白鹿毛、参ります』

 薙刀を正眼に、凌馬や耀子たちに向けた。

「名乗りを挙げての勝負なんて、本当に武将みたい。じゃあ私も。――変身」

 耀子がピーチエナジーロックシードをゲネシスドライバーにセットした。桃の鎧が耀子を装甲し、桃色のアーマードライダーへ変えた。

『アーマードライダーマリカ、行くわよ』

 マリカが弓を構える。
 白鹿毛とマリカは同時に地面を蹴った。

『はぁっ!!』
『――っふ』

 白鹿毛の一薙ぎをマリカは弓で受け止めた。鍔迫り合い、弾き合って離れる。間合いを測ろうとしたが、その前にマリカが桃色のソニックアローを放った。白鹿毛は横に跳んでそれを避けた。

 マリカは容赦なく、雨あられと桃色のソニックアローを放つ。白鹿毛はそれらの矢を薙刀で全て弾いた。

(あちらの得物が弓である以上、懐に入れないと勝機はない。でも――)

 白鹿毛の意思とは無関係に浮かんでは消える、湊耀子との初戦の記憶。大見得を切りながら負け、果ては醜態を曝し、碧沙に失望されたあの時。

(腹を括れ、関口巴。これと、碧沙を失うのと、本当に恐ろしいのはどっち?)

 マリカが弓を振り被る。斬りつける前動作。

(ならば、いっそ)

 白鹿毛はマリカの間合いに大きく入り込み、自ら弓の斬撃を受けた。

『え!?』
『――、あは』

(なんだ。案外、痛くない)

 自分に嘘をついてから、息を停める。
 刃近くを握った薙刀を、マリカの肩に、突き立てた。

『ああッ!』

 マリカが肩を押さえて後ろへよろめいた。

『やああああああッッ!!』

 握った刃でマリカを袈裟斬りにした。

 白鹿毛は停めていた呼吸を再開した。存外長い時間だったようで、マ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ