ユグドラシル編
第13話 最終防衛ライン
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変身して戦い始めた。
動けないでいた巴の前に、桃色のライダーが斬ったインベスが転がってきた。
「きゃっ」
『! あなた――変わった所で会うのね』
くす、と笑われた気がして、巴は顔が熱くなった。
『状況は見ての通りよ。ここでインベスを食い止めないと、あのクラックから街に秘密が溢れ出る。あなたも葛葉紘汰のように手を貸してくれるのかしら。それともただの通りすがり?』
「〜〜っだれが通りすがりですか!」
巴は勢い任せに量産型ドライバーを腹に装着し、アーモンドの錠前を嵌めた。
「変身!」
《 ソイヤッ アーモンドアームズ ロード・オブ・白鹿毛 》
アーモンドの鎧をまとって白鹿毛へと変わり、薙刀を持っていくさ場に飛び込んだ。
『巴ちゃん!?』
『助太刀します!』
白鹿毛はそこら中にいて外を目指すインベスを、次々と薙刀で斬り捨てて行った。
『と、巴ちゃん、なんか強くなった?』
『特にそういったことはありません』
関口巴は耀子に敗れたあの日からずっと弱いまま。どれだけインベスを殺そうが、この一刀が桃色のライダーを捉えなければ、それは巴にとって「強くなった」とは言えない。
『そうおっしゃる紘汰さんは、太刀筋が荒いですね。怒っています?』
『ああ…! 戦極凌馬とユグドラシルのゲスっぷりにな!!』
鎧武が視界から消えた、と思ったら横にいた。見慣れないチェリーの陣羽織。これの効果はどうやら高速移動らしい。
『あいつら、ベルトで救える人数は10億人が限度だって。残りの60億は10年経つ前に殺すって言ったんだ。最っ低だ!』
(そういえば碧沙、言った。今は10億人でも、必ず自分たちが全人類の光になると。あの時は意味が分からないから置いといたけれど、こういうことだったのね)
『なるほど。ではその辺を問い詰めるためにも、ここを片付けてしまいましょうか』
白鹿毛はカッティングブレードを落とした。
《 アーモンドオーレ 》
『すぅ――――はあ!』
回転しながら薙刀を薙いだ。円状のソニックブームが広がり、周囲にいたインベスを残らず爆散させた。討ち零しは鎧武とマリカが片付けた。
戦いが一段落つくと同時、ついにクラックは閉じた。
長いようで短かった防衛戦は、終わったのだ。
「よっし! 一件落着だ。まさか本当に持ち堪えるとはねえ」
その声を合図に耀子が、紘汰が変身を解いたので、巴もロックシードを畳んで変身を解いた。
「お疲れ様。――葛葉君と関口君もよくがんばってくれた。キミたちがいなかったら、正直、ちょっと危なかったかもね」
なおも喜々としている凌馬に対し、紘汰の表情はどんどん険しくなっていく。
「――
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