ユグドラシル編
第10話 Calling
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いのだから。
「――ありがとう、亮二さん。おかげで決心がつきました」
《あ？ 俺、何か言ったっけ》
「いえ。誰かと話し合えて、考えがまとまりました。だから、亮二さんのおかげです」
《そ、そうか？ ならいいんだけどさ》
不思議と褒め言葉を混ぜると、初瀬はうろたえる。巴よりずっと大人の彼がそうなる所が妙に可愛くて、たまにこうして、意識して彼に過剰な感謝を述べている。
（亮二さんだってさっきみたいに褒め殺ししてくることあるんだから、いいわよね。亮二さんにだけだし）
巴は白馬のぬいぐるみを見下ろし、それを強く胸に抱いた。
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