ユグドラシル編
第1話 生存判明
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「インベス、化…? 保護、だと…」
シドは帽子を押さえてにやりと笑った。
「捕えろ」
シドの一声で、裕也を回収した黒影トルーパー隊が紘汰の下にもやって来た。紘汰はもがいたが、先に食らったダメージが大きく、大した抵抗にはならなかった。
黒影トルーパーは紘汰の両腕を押さえ、腹に一撃を叩き込んだ。
紘汰の意識はそこで落ちた。
一連の事態に動けなかった巴を、下にいたシドがふり仰いだ。
「さて。残るはあんただけだぜ、お嬢サマ」
「『お嬢サマ』はやめてください。わたしは普通の家の普通の子供、ですから」
「お嬢様」というカテゴリは嫌いだ。それは巴と碧沙を大きく隔てる溝だ。碧沙が本物の「お嬢様」で巴がマガイモノだから、二人の間には堅固な友情が築けなかった。
「まあ何でもいいさ。ユグドラシルまでご同行願おうか」
「わたしはベルトを親に捨てられました。アーマードライダーではありませんが、それでも?」
「それでも、だ」
「分かりました」
巴は黒髪をゆらめかせて自ら階段を下りてシドの前まで行った。シドはくっと笑った。
「聞き分けのいいガキは好きだぜ」
「――、どうも」
黒影トルーパー隊が来て、両側から巴に影松を突きつけた。
巴は抵抗せず、連行されるまま歩いた。
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