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ロード・オブ・白御前
ビートライダーズ編
第12話 変身できなくても
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まじいブレーキ音を上げて電車がホームに滑り込んだ。
 いくらインベスでも、電車に轢かれたのでは。

「亮二さん!」

 巴が初瀬に駆け寄って来た。

「やった……のか?」
「やったんですよ! 亮二さんだけの力で!」

 巴が歓喜を隠しきれない様子で、初瀬の手を両手で掴んだ。

「信じ、らんねえ……俺が……何の力もねえ、今の俺が……」

 初瀬は巴が離した両手の平を見下ろした。何も持っていない、どこにでもいる男の手。この手が、成した。怪物を倒し、街の一部を守った。
 初瀬の胸にどんどんと達成感が湧き上がって――


 ガゴンッ!!


 予期しない大音量。初瀬は顔を上げた。
 電車が浮いている。正確には下にいる何かが電車を持ち上げて這い出そうとしている。

 鉤爪がホームにかかり、それは這い出してきた。セイリュウインベスではない。その様はまさに、西洋のドラゴンだった。
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