ビートライダーズ編
第8話 龍玄vs斬月! 兄弟と知らず……
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を取られたように、顔を背けた。
(チャンスは今しかない。碧沙も、貴虎兄さんが一緒なら大丈夫なはず)
龍玄は残りがあるのかも分からない力を総動員して立ち上がり、その場から逃げ出した。
あと一息、という時に斬月に通信が入った。その隙を突かれて龍玄には逃げられたが、ベースキャンプ襲撃はそれどころではない報せだった。
『本部に連絡して速やかに退避しろ! すぐに向かう!』
斬月は通信を切ると、不安げに自分を見上げる妹を片腕で担ぎ上げた。変身した自分には軽すぎる荷物だ。
「に、兄さん!?」
『許せ。緊急事態だ』
斬月はそのまま走り出した。
(あのベースキャンプには特殊防衛班も置いてあるが、あくまで気休め。インベスはやはりアーマードライダーでなければ殺せない――!)
走る斬月の前に、黒いモノが飛び出した。槍の一撃が相手側からくり出された。
斬月は碧沙を庇うために半分背中を向けながらも、逆手に抜いた無双セイバーでその一撃を捌いた。
『何だ? 初めて見るアーマードライダーだな』
確か黒影とかいう、ビートライダーズの一人だ。最悪のタイミングだ。
何かの針が自分の中で振り切れたのを、やけに冷静に感じた。斬月は碧沙を下ろした。
『俺が戦いってもんを教えて――』
『どけッ!!』
抜いたままの無双セイバーを逆手から順手に回し、黒影の胸部に二撃、腹に一撃。翡翠色のソニックブームが発生するほどの力を、本気を込め、剣を揮った。
結果として斬月は黒影の戦極ドライバーまで真一文字に斬り裂いてしまった。
「に、兄さ…その人…し、死んで…」
『馬鹿を言うな。俺がそんなヘマをする兄に見えるか』
「そ、う、だけど」
後悔も焦りもするだけの予断はない。再び妹を片腕に担ぐ。
「あ、あの人は」
『後で回収に来させる』
それ以上は例え妹でも聞いてやれず、斬月はベースキャンプを目指して再び走り出した。
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