ビートライダーズ編
第7話 聖なる祝日の迷子 @
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
った。彼はとっさのように銃を構えていた。
「光実兄さん?」
龍玄は驚いたようにブドウ龍砲を下ろした。
『碧、沙? 碧沙が何でこんなとこに』
とりあえず妹を助け起こしながら、光実は尋ねてみた。
「だ、だって、兄さんが教えてくれないからっ。クリスマスに新しいゲームをやるっていうのに、内容はちっとも分からない。兄さん、聞いても『秘密』って、そればっかりで」
言葉を重ねるごとに碧沙は勢いをしぼめていった。
「ごめんなさい。怒ってる……?」
碧沙は胸に両手を当て、上目遣いに龍玄を見上げた。これだ。――碧沙は、あざとい。
『はぁ……来ちゃったものはしかたないから、僕から離れないでよ。ここのインベスは普通のより強いから。いいね?』
「! うん!」
満面の笑顔を浮かべる碧沙。龍玄はこっそり二度目の溜息をついた。――兄の貴虎を碧沙に甘いと言う自分も、大概、この妹には弱い。
「でね、兄さん、その……お願いがあるの」
『お願い?』
「わたし、友達と一緒に来たの。関口巴、分かる?」
『ああ。いつも休みの日にプリント届けに来てくれる子?』
「そう。その子が……インベスに襲われて、わたし……巴、オトリになって。探してるの。一緒に探させて。兄さんの邪魔はしないから」
龍玄――光実は頭を抱えたくなった。
妹がいるだけでも非常事態なのに、さらに無関係の一般人の少女が“森”に迷い込んでいる。これはもはや、白いアーマードライダーどころではないかもしれない。
『分かった。どっちに行ったか分かる?』
「あっち」
『じゃあそっちに進もう』
龍玄は後ろに碧沙を連れて森を進み始めた。
「ねえ兄さん。結局兄さんは何がしたくてこのゲームを開いたの?」
斜め下から自分を見上げてきた碧沙。その動きでさらさらの直毛がひらめいた。
『僕がベルトを手に入れる少し前、白いアーマードライダーが現れた。そのアーマードライダーは、僕の仲間を殺そうとした』
「ころ…っ」
碧沙が蒼白になる。こういう反応をさせたくないから隠して黙っていたのに。好奇心は猫を殺す、とはまさにこのことか。
『その後で貴虎兄さんの荷物から戦極ドライバーとロックシードを偶然見つけた。その白いライダーが着けてたベルトと同じ物だった』
「貴虎兄さんが、その白いアーマードライダーかもしれないってこと?」
『うん。何度もカマかけてみたんだけど全然引っかかってくれない。だからどうしても確かめたくて、このゲームを提案した』
「要するに、貴虎兄さんなのかが分かればいいのね」
『そうだけど……また何か悪いこと考えてるだろ』
「べ、べつにっ? そんなこと、全然」
じと目で睨んで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ