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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第9話?予想外の事態
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や幽霊の類いを基本信じていない僕だが柄にもなく祈った。


◇◇◇◆


?事件と呼べそうな事が起こったのは、ボスのコボルド王のHPゲージが最後の一本になったときのこと。

?三本目のゲージがゼロになった瞬間、さらにレイド全体の士気が上がった。もちろん僕もだ。
?コボルド王は両手に持っていた骨でできた斧と革で作られた盾を同時に放り捨て、高らかに吼えた。そして、腰に装備している武器の柄を無造作に握る。ここまでは攻略会議通りだ。対策ももちろん万全と呼べるほどされてある。

?しかし、ここで問題が発生した――。

?腰にあった武器が曲刀ではなかった。それは、曲刀と言うにはあまりにも刃が反っていて、まるで鍛えられたかのように鋭い輝きを放っていた。曲刀を扱う僕だから判るかもしれないが、あれは絶対に曲刀ではないということはわかった。
?あれは……あの武器は……僕が最初どうしても装備したかったのに武器屋に売っていなかった、あれは――

「…………かた……な……?」

?僕は思ったことをそのまま口にした。そのあまりにも予想外な出来事に自分の役割をも忘れてしまう。?僕がそう呟くと同時にコボルド王が大きく吼え、カタナを自分の頭上に高々と振り上げた。そして、カタナがまるで血のように黒の混じった赤色に染まる。
?次の瞬間、コボルド王が高く跳んで行き、落下と同時にすさまじい衝撃をもたらした。コボルド王の周りにいた人たちがそれをそのまま喰らい、一斉にそれぞれの後ろに吹き飛んでダメージを受ける。今まで安全圏のグリーンゲージだったディアベル含むC隊のパーティーのHPゲージがごっそりと半分以上減り、イエローへと変化した。
?呆然とそれを見るだけの僕の近くにいる三人も同じようにしているのがわかった。おそらく三人も目の前で起こっていることが信じられないのだろう。
?そして、コウの声らしき音を僕の耳が拾った。

「……やっぱり、か……」

?コウのなかで予想していたものが、最悪の形となって現れてしまった。コウの声もいつも通りのようでいて、少しだけ震えていたことに今さら気づく。

「……ならヤバイな、こっから状況がガラッと変わるぞ」

?カイも普段とは違う声のトーンだったが、落ち着いてるようだ。かなり切り替えが早いのはさすがと言わざるを得ない。

「ど、どうしたらいいのかな」

?カグヤは明らかに怯えていて、震える声でわたわたしている。僕は、二人の声を聞いてようやく正気に戻った。

「いや、どうするもなにも一回退散して態勢を整えた方がいいんじゃない?」
「それだと、ボスコボルドの攻撃を避けながら……もしくは受けながらだからほぼ不可能だろ」

?僕の意見にカイが冷静に突っ込む。しかし、そうなるともう逃げることは無理だ。もう、こ
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