第六章
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今こうして君と一緒にいるんだ」
こうまで述べた。それだけで充分であった。
「そうじゃないかい?」
「そうですね。じゃあ」
「うん、歩いてね」
ジョゼフもにこりと笑った。そうして言う。
「一緒に家まで行こう」
「わかりました。その後はですね」
「どうするんだい?」
「歩いて。私の家まで行きましょう」
「そうだね、二人でね」
その言葉にも頷く。何かこうして二人で歩いているのがやけに楽しくなってきた。
「一緒にね」
「はい、何時までも一緒に」
楽しい気持ちのまま並んで歩いていく。ジョゼフはようやくナンシーと一緒に歩く喜びを知ったのであった。一生の喜びを知ったのだった。
静かな気持ち 完
2007・2・1
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