下忍編
中忍試験
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日も今日とて、苦無の弾幕で襲いかかられたカカシは、ぬるぬると滑る掌を拭きながら、笑いかけた。
波の国に行く前に提案しあっていた、苦無に油を塗る方法を採用したらしい。苦無が弾けなくなるので、最近では真剣白刃取りの要領で、素手でつかんでいる。最近では、写輪眼を使わなくても苦無が素手で同時につかめるようになっている。今更この年になって成長するとは思わなかったなぁ、と若干現実逃避をしつつ、カカシはカトナ達を見る。
トラップの腕は一流。チャクラコントロールも、他の下忍と比べればダントツだろう。使う手数の多さはいわずもがな。
これなら安心できると頷いたカカシは、自分の掌から香るいいにおいに少しばかり顔をしかめる。
「ってか、いい油使ってるよねぇ」
「お気に入り、ごま油、混ぜてる。から、匂い、最高。すべり、よし」
「先生の苦無を弾くために、計算式つくりまくったんですからねー?」
「実験体で油を受け捲ったからな。すべりやすさは保証する」
どうやら、いちいちどれくらいの量が一番、苦無を失速させるのにいいのかと言う計算式を作り、実験体としてサスケを使っていたらしい。無駄すぎる努力に、その情熱を他の人に注いでくれたらうれしいんだけどなーと、若干涙ぐんだカカシが思う。
余談だが、ごま油はカトナのお気に入りの店で作られているものであり、お値段は少々高めだが、その美味しさからカトナに愛用されている。もう一つの油は、サイのお気に入りの文房具で買っているため、最近では、サイ達の班でも奇襲をはじめ、ヤマトの方にも二次被害がいっているのだが、これが通常だと思っているカカシは全く気が付いていなかった。
閑話休題。
そんな風に、のんびりとした様子で語り合う三人を置いて、薙刀「真昼」を持っていたカトナは、その言葉に、うむむと小さな唸り声をあげる。中忍試験、受けられるものならば受けたいけれど、しかし、周りからのあたりが強くならないだろうか。
碌に経験がない奴がでしゃばるなとか、九尾のガキに試験を受けさせるのは費用の無駄だとか、合格するわけないのに受けさせたらかわいそうでしょう(嘲笑)とか、言われそうだ。
というか、邪魔もされそうな気がする。茶々入れられるだけでも、ましかもしれない。
カトナが望んでそう言う状況を作るように仕向けてきたとはいえ、流石にここまで来るとやり過ぎな感じがある。
情報操作の手加減をしてみようかなぁ…。でも、嫌われていた方が楽なんだよなぁ、とカトナはぼんやり思考する。嫌われていれば、こっちから関わらなくて済むし。干渉しなくてすむし。何よりも、ナルトの秘密を知られる可能性が低くなる。それに、
人間のカトナが、誰かを好かなくて済む。
それはとっても楽なことだ。
やっぱり、もう少し九尾についての悪い情報を流し
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