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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十九話 定まる道筋
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術師という者達が魔導師とあまりに異なる基準を持っていることを実感させられる。
「あとは魔術師の能力があまりにも素質に偏るので、魔術回路を持つ者が見つかりコントロールを出来ない様なら教えることはしなくはありませんが」
その時、士郎の視線が一瞬だがアリサとすずかに向けられる。
だがそのことに気がついたのはプレシアとリインフォースの二人だけであった。
「士郎、確かに素質でスタートは違うかもしれないけど、訓練とかでどうにかならないの?」
フェイトの魔導師としての訓練を思い出して、提案をするが
「もちろん訓練で魔力効率や生成能力は向上することは可能だけど、魔術回路は生まれながらに持てる数が決まっている、増えることも減ることもない内臓のようなものなんだ。
当然、内臓を増やすことは普通できない。
運がよければ俺のように人の理から外れたときに増えるかもしれないけどな。
だからこそ魔術師は代を重ねてより多くの魔術回路を持つ子孫を残そうとするんだ」
静かにフェイトの案に首を横に振った。
リンディやレティ達、時空管理局組としては魔術という新たな術を取り込みたかったのだが、質こそ違えど同じ魔力を使う技術と思っていたが故に頭が痛い話であった。
「でも魔導に比べてリスクが高いって言ってたけど、魔導師だって魔力の制御や術式を誤れば怪我を負いかねないのよ」
魔導師が使う魔法とてリンディの言うとおり魔力を使う以上は怪我やリンカーコアに負荷がかかり魔法が使えなくなる等のリスクはある。
だが士郎の言葉で全員が言葉を失った。
「魔術師にとって魔術を使うだけで人として肉体が苦痛を訴えるもので、制御するのは本人の意識のみです。
限界を超えることなんて簡単にできてしまう。
そこから戻ってくるのは運次第ですが」
「……そんなにあっさり?」
魔導とは違う魔術のコントロールに誰かの呟きが漏れる。
「例えるならリミッターの付いていないエンジンのようなもの。
アクセルを踏み続ければ限界なんて簡単に超えられます。
ですがそんなことをすればエンジンは壊れてしまう。
怪我で済めばいいほう、魔術は制御を一歩間違えば廃人になりかねないものなんですよ」
あまりの表現に誰もが唖然としてしまう中で
「いや、魔術や魔術師についても確かに気になるが、別の話だ」
いち早く、質問を思い出したクロノが咳払いをして
「君の年齢について僕達には本当のことを教えてもいいと思うんだが」
その質問を口にした。
あまりに予想外の質問にクロノ達、時空管理局関係者以外の面々が固まった。
質問をされた当の本人といえば
「ああ、魔術のことばかりでそのことを話してなかったな」
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