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ウィザード外伝-仮面ライダーサマナー-〜指輪の召喚師〜
お嬢様の沈黙、執事の嗜み
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た。理由としてはエメラルドナーガは蛇、スカーレットフェアリーは蜂(ムシ)…この二つのプラモンスターは間違いなく女の子が嫌う生き物トップ2だからだ。しかし気づいた時には既に遅く、ナーガリングで召喚されたプラモデルの枠組み(ランナー)のパーツが自動的に組み立てられ、エメラルドナーガが完成してしまった。

『しゃー!』

「ぬおっ!?へ…蛇っ!?ひいいいいっ!!」

(あああああぁああぁああ!!大失敗だぁああああ!!)

女の子相手に蛇を出すなど嫌がらせ以外の何者でもない、しかもエメラルドナーガは完成早々に威嚇して黒部を怯えさせていた

だが肝心の夜久楽はというと…

「…。」

『ふしゃー!』

「はっ!?近寄っちゃダメだ!そいつは気性が荒くて危険だ!」

「なんてもの出してるんですか!貴方様は!?お、お嬢様!いけません!いけませんぞ!!」

「…。」

怖じけづくどころか情けない男共二人の制止を振り切り、威嚇してくるエメラルドナーガに自ら近づき、その場にしゃがんで真っすぐに見つめ、両手を差し延べた。

『…しゃー』

「…♪」

すると、夜久楽に敵意が無い事を感じ取ったか、エメラルドナーガは地を這いながら彼女の小さな手の平に乗り、やや照れ臭そうな様子で未だに威嚇した…ここで夜久楽は見逃してしまいそうなくらいのほんの一瞬だけ、ニコリと柔らかな笑顔を浮かべた

「や、夜久楽お嬢様が…今、夜久楽お嬢様が笑ってくださった…!?ううっ…ぐっ…うううぅ…ぬぉああああああッ…!!」

「ちょ…!黒部さん!?どうしたんですか!」

「うぐぅうう…すみません…すみません…!感激のあまりに…涙が止まらなくなりました…お嬢様の笑顔が…一瞬だけでも見れたのが嬉しくて、嬉しくて…ぬおわああああああ…!!」

「お…落ち着いて…!!」

今尚も楽しそうにナーガと遊んでる夜久楽が先程浮かべた笑顔を見た途端、急に泣き始めた黒部に驚いた銀嶺は慌ててハンカチを差し出した

「…そんな反応するなんてよっぽど嬉しいんですね…」

「…は…はい…まことに申し訳ありません…少々取り乱してしまいました…」

「…いえ、それよりも一つ聞いてもいいですか…?」

「…なんなりと…」

黒部が大分落ち着いたのを確認し、銀嶺はここで彼に対して夜久楽に関するある質問を彼女に聞かれぬように黒部に小声で耳打ちする形で投げかけた

「…あの娘は何故一言も喋らないんですか?さっきから一度も声を聞いてないんですが…」

「…それ、は…」

そう、夜久楽は頑なに口を閉ざしたまま一言も声を出してない、その理由についてだった…生徒会長でありながら自らスピーチもせずに黒部に任せ、ザントマンに殺されかけた時も命の危険に晒されたに
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