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ウィザード外伝-仮面ライダーサマナー-〜指輪の召喚師〜
お嬢様の沈黙、執事の嗜み
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…夜久楽は黒部の姿を見た途端、彼の方へトテトテと歩み寄って抱き着いた。彼女が無事だったと知るや否や喜びのあまり黒部は年甲斐もなく思わず号泣してしまった…。



「お嬢様を助けてくださってまことにありがとうございます。銀嶺様…この黒部、感謝の極みであります。」

「いやぁ、夜久楽ちゃんにも言いましたけど大したことじゃ…それにタクシー代わりにしちゃって逆にこっちが申し訳ない…」

「とんでもない!貴方様はお嬢様、そして私の命の恩人なのです!これくらいお安い御用です!」

(おおぅ、なんだかすっごく照れるな…)

現在、銀嶺は黒部のリムジンの中におり、ほんの御礼代わりとして銀嶺が住み込みで働いている古本屋まで送ってもらっていた。あの戦いの後、生徒一同全員が意識を失うという異常事態(実際は眠らせていただけだが)が起きたということでこの日は全ての授業が中止となり、生徒達は急遽帰宅させられるハメになってしまった…無論、ザントマンに襲われた夜久楽と黒部も例外では無かった。

「…」

『しゃー』

ちなみに夜久楽はというと、後部座席で体勢を低くし、妙に愛らしい鳴き声で威嚇(?)している煌めく翡翠のボディを持った手の平サイズのコブラに似た小さな生き物…否、プラモンスター・エメラルドナーガに目線を合わせる形で向き合い、彼(?)をジーッと凝視している…心なしかその顔は少し嬉しそうにも見えた

「まさかアイツを気に入ってくれるとは…普通、女の子は蛇とか嫌がるのに…」

「誤解なさる方も少なからずおりますが、お嬢様はとてもお優しい方です。動物にも人間にも…どんなものにも別け隔てなく接することが出来る、そういう方なのです。」

「へえ…。」

銀嶺は普通の女性ならばまずすぐさま嫌悪感が表れるであろう見た目が完全に蛇(しかもコブラ)なエメラルドナーガを嫌がる様子も無く、むしろ仲良く戯れている夜久楽を不思議そうに見つめていた…黒部曰く、彼女は学校では成績優秀な上に一年生で既に生徒会長を勤めているまさに生徒の憧れの存在だが、無口で無愛想…下手をすれば感情さえ無いとも思われそうな表情のせいで周囲から人間嫌い、他のもの全てに興味など無い冷たい印象や誤解を受けやすいが、本来はその逆だという…

その話を聞いて銀嶺は数分前の事を思い出していた。

「にわかには信じ難いですが実際にあの化け物の存在が証拠ですな…いやはや、ファントムにゲート、それに魔法…そういったものは空想の産物かと…」

「…。」

「まあ無理もありませんよね、どれ、失礼…」

「…?」

銀嶺はその時に夜久楽が何故襲われたのかという理由と自分の事を二人に説明していた。当然ながら最初はあまりにも現実離れしたことに中々信じてはもらえなかったが事実、ザントマン
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