第5話〜ケインと賑やかな仲間たち〜
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ないユーシスとマキアスがいるB班を不憫に思う気持ちはあったが、そっちも頑張ってくれとリィンが檄を飛ばし、出発の時間となった彼らと別れる。話の流れでリィンとアリサの仲直りが少々話題に上がったのはまた別の話だ。ここから遠いパルムに対し、ケルディックは今からも出ても昼前には着いてしまうが、余裕をもって行動するに越したことはないし昼食もどこかで取らなければならない。そういうわけで、ケインたちA班も乗車券を購入し、列車に乗ることにした。
「えっと、ケルディックまで一時間くらいなのかな?」
「そのくらいのはずだ。先日、トリスタに来る時にちょうど乗り換えたからな」
「ラウラの故郷はレグラムだからケルディックで乗り換えてバリアハートへ、だったな?」
「うん、そこから更に列車を乗り継いだ終点になる。はっきり言って僻地だな。
・・・そなたにはどうでもいい話かもしれぬが」
「そ、そんなわけないだろッ!?」
ケインの右隣に座っているエリオットがケルディックへの所要時間を誰にともなく尋ねる。通路側にケインと対面して座るラウラは、それに答え、レグラムの話をケインと語ると最後になにやら棘を感じる言葉を言い放ってそっぽを向いてしまった。
「・・・なぁ、エリオット?何か悪いことしたのかな、俺は」
「さあ?自分の胸に聞いてみたら?」
「そこをなんとか!今は君だけが頼りなんだ」
小声で懇願してくるケインの超がつくほどの朴念仁っぷりに呆れの嘆息をもらすエリオットは、やれやれといった様子で説明を開始した。曰く、B班との別れ際に、ケインがフィーの頭を撫でたのが原因だということらしい。
「何で軽々しくあんなことしちゃうかなぁ」
「いや、フィーってどこか妹みたいなところがあるからつい癖で、かな」
「ふ〜ん。ケインには妹がいるの?」
「・・・ああ、いたよ」
相変わらずの小声でやり取りしていると、少し暗い顔になるケインを見たエリオットは、彼の発言の意味を理解し「ごめん」と謝る。ケインは「平気だよ」と言ってエリオットを気遣った。
「・・・で、どうすればいいのかな?」
「ラウラの頭でも撫でてみたら?」
「そんな手があったのか!分かった、やってみるよ」
「軽すぎじゃない!?もう少し考えた方が・・・」
「大丈夫。俺はエリオットを信じてる」
「いや、何の根拠もなく信じられても」
本来頭はいいはずなのに、ケインはたまにアホだなぁと思うエリオットであった。
不本意ながらアホの烙印を押されたケインは、早速ラウラの頭を撫で始めている。
「な、何なのだ・・・」
「ラウラの髪は綺麗でサラサラだと思って。ついつい撫でたくなったんだ・・・嫌、だったかな?」
「嫌ではない。だが、早く
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