第5話〜ケインと賑やかな仲間たち〜
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七耀暦1204年 4月24日(土) 午前6時45分
「っと・・・3人ともおはよう」
「おはよう、良い朝だな」
「えへへ、2人とも早いね」
「よう・・・」
実習日当日である土曜日の朝、一階にいたリィンとアリサを見かけたケイン、エリオット、ラウラは、三人が降りてきたのが分かったのかリィンに挨拶され三者三様に言葉を返す。表情に多少の翳りがあるケインにリィンが「そう言えば昨晩、うなされてたみたいだったけど大丈夫なのか?」と問う。
「・・・ちょっと嫌な夢を見ただけだよ。起こしてすまなかった」
「・・・いや、気にしないでくれ」
200号室であるケインの右隣の部屋は201号室、リィンの部屋だ。生憎、防音施設がそこまで整っていないのだろう。隣であれば多少の音や声は聞こえてくる。リィンの問いに対してそう答えたケインは、どこか遠い目をしていた。
「そ、そんなことより、仲直りできたみたいだな。おめでとう」
「はは・・・まあ、おかげさまでね」
「ふふ、それは良かった。正直この半月あまり、見ていて歯がゆかったからな」
「そうだな」
「特にアリサは念願かなって謝ることが出来たようで」
「わー、わー!」
朝から湿っぽい空気にしたくないと思ったケインは少々強引に話題を転換する。リィンとアリサは3人が来る前に何かやりとりがあったのか仲直りしたようだ。ラウラが続けて話題に乗っかり、アリサの事に触れたところでそれはNGだと騒ぎ立てた。
「い、言っておくけど!同じ班で気まずいままなのはどうかと思っただけなんだから!
そこの所を間違えないでよねっ!?」
「はいはい(ニコニコ)」
「分かってるよ・・・プッ」
「・・・ケイン?」
『この半月、何とかちゃんと話そうしたんだけど・・・やっぱり気まずくって
変に避けてしまって・・・』
「わー、わー!」
ケインが不敵な笑みを浮かべながらアリサの台詞の一部をリピートすると、恥ずかしさに両頬を染めた彼女からまたNG規制が入ってしまう。
「でも、どうやったの?」
「特には何もしてないよ。2階から全部聞こえてたんだ」
「ふむ、大した聴力だな」
「そ、その話はもういいでしょう!?」
「はは・・・」
常人ならざるケインの聴力を褒めるラウラ。が、それ以上言ったら呪ってやるとアリサの目がそう言っているので、誰からともなくこの会話を終了して動力列車に乗るため駅に入ることに。・・・とにもかくにも朝から賑やかなZ組A班であった。
駅に入るとB班が先に来ていた。B班の実習地であるパルムの方は帝国の最南端にあるため、トリスタからは遠い。エマ曰く、今から出発しても夕方近い到着になるそうだ。互いに顔も合わせようとし
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