暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
12ーsugary scene
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詩乃が歌を歌い始めた。…なに?この歌?

ー君の声は遠くて。それでも近くてー

ーそれでも君が好きなのはー

ーこの想いが強いのなら、僕は傷ついても大丈夫ー

「この歌。佳好きだったわよね?…佳の様に甘くはないけどね。」
「…」

うん。分かってる。この曲は僕の好きなバンドの1番好きな曲だ。

「へえ、覚えたんだ!」
「…だから。」

そっと僕の耳元に、内緒話をするように

「早く…一緒に歌える様になってね。」

僕は少し…いやとてもドキドキしたが、ギリギリ笑顔で。

「分かったよ。」
「…にやけてるわよ。笑顔で隠し切れてない。」
「あいたっ!」

詩乃はクスッと笑うとデコピンしてきた。僕はムスーとしながら。

「何?さっきの仕返し?」
「それはまた今度。これはこれ。あれはあれよ。」
「僕が言うのもおかしいけど…訳分からない。」
「佳が分からない様にしてるの。」
「ふーん…なら。」

僕はいきなり詩乃の手を握る。

「んじゃ、さっきのデコピンの仕返し!これで帰ろう!」
「えっ!」

少し詩乃が恥ずかしがってる。僕はさらに指と指を絡ませる。

「な、なんで??こ、恋人握りなのよ!」
「これはこれ。あれはあれ!だよ?」
「〜??」

僕は今だに恥ずかしがってる詩乃を見て少しエスコートするように歩き始めた。

「ねえ、詩乃!」
「何?」

僕は少し…いや笑顔で。

「僕、今が…楽しい!」
「そうね…。」

夕焼け空がそんな手を繋いで帰る2人を照らしていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「BOB作戦会議。始めよう!」
「え?」

僕は今詩乃の部屋で勉強をしていた。もちろん詩乃といっしょに。
え?もちろん将来は医師になるつもりだよ?だって一応院長継がないといけないしね?目標は歌える医師!

「勉強はいいの?」

詩乃が心配そうに言ってくるが…

「大丈夫!僕の模試の成績偏差値オール60だよ?2年間勉強しないで。だから大丈夫だよ!」
「そういえば佳は昔から勉強しなくても偏差値良かったわよね…」
「目に焼き付ける蛇がいるのかな?」
「は?」
「いや、何でもない。それより…」

僕はごほん。と咳払い一つすると。

「今回はアレだよね?30人の中から頂点を決めるというサバイバル形式の大会だよ!」
「知ってるわよ。」
「だったら僕と詩乃が組んで倒せば。かなり楽に倒せるという訳だよ!以上!作戦終わり!」

僕はいつもの笑みで詩乃を見る。だけど詩乃は少し顔が暗くなり。

「私は…」
「『あの世界で頂点に立てば今の弱い自分から強くなれる。だから佳の申し出は遠慮しておくわ。
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