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浪漫ゴシック
第六章
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第六章

「是非ね」
「わかった。それならな」
「それなら?」
「大事にするんだな」
 こう我が子に話すのだった。
「わかったな」
「大事って?」
「お父さんとお母さんは知ってるか?」
「だからお父さんとお母さんって」
「お父さんとお母さんの年齢差は幾つだ?」
 結構だ。具体的に話す先生だった。
「幾つだ、それは」
「確か九つだったよね」
 先生の方が九つ年上である。結構離れていると言えば離れている。
「そうだよね」
「そうだ。だからだ」
「だから何が言いたいのかな」
 修治は首を捻って述べた。どうしてもわからないというのだ。
「全然わからないんだけれど」
「今はわからないか」
「本当に全然わからないけれど」
 また言う修治だった。
「父さん何が言いたいんだよ」
「とりあえずだ。またこの店に来るな」
「うん、来るよ」
 それは確かだというのだ。
「気に入ったから。高校もさ」
「あの高校か?」
「うん、あの高校」
 父親に話しながら扉の向こう側に目をやる。そこにこそあるのである。
「あの高校に行くよ」
「そうか。学力は大丈夫だったな」
「丁度だよ」
 まさにだ。その高校を受験し合格するのに丁度いいレベルにあるというのだ。
「それは父さんが一番知ってるじゃない」
「それもそうだけれどな」
「受けるよ。それで高校に入ってさ」
「このお店に通うんだな」
「そうするよ。是非ね」
 笑顔に戻って話す修治だった。そしてだ。
 彼のその言葉を聞いてであった。柚子もだ。
 笑顔になってだ。修治に話した。
「それじゃあですけれど」
「うん。それじゃあ?」
「御願いします」
 頭をぺこりと下げてだ。こうして話すのであった。
「これからも」
「うん、宜しくね」
 柚子の言葉の真意は察する、いや気付くことなくだ。こう答える彼だった。
「それじゃあね」
「じゃあいいな」
 また話す先生だった。ここで我が子にだ。
「この店にこれからもな」
「通うよ」
 こう先生、自分の父親に話す我が子だった。そうしてだ。
 彼は高校は実際に店の前の学校に入学した。そうして店にずっと通うのだった。
 大学に入るとだ。大学はその高校が付属している大学だ。半分エスカレータで入学してだ。やはりその店に通いだ。
 大学に入りアルバイトをはじめた。そこはだ。
「御願いね」
「はい、宜しく御願いします」
 京華、彼が中学の頃から一切変わっていない美貌の持ち主の彼女が修治に話す。彼も着物になりエプロンを身に着けている。
 そしてだ。その横にはだ。
 柚子がいた。今彼女は小学六年だ。
 背はかなり伸びた。顔はそのまま成長した感じで可愛さの中に奇麗さが宿ってきていた。その彼女が修治に話してきた
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