KillinGirl Night [R-15]
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の前衛的アートになった皆を見て悲鳴を上げようとしているその喉、もーらいっと。
足を踏ん張って、びゅんっ。風切り音が全身を包む速さで、引き寄せて、引き寄せて――今!
カンペキな跳躍。カンペキな速度。カンペキなタイミング。この一撃は、ゲージュツだ。
するん、と私の身体はお兄さんを通り抜け、宙返りしたように舞い、滞空時間でお兄さんの彼岸花がどうだったか確認するためにさかしまの背後を上から眺める。他人から見たら、私どういう動きをしてるんだろう。自分自身、何がどう動いているのか完全には分かってないミステリー。
やがて、最高の一撃は私の予想と微妙に違う光景を見せてくれた。
ず
る
り
っ
滑るように、完全に両断された首がフリーフォール。
彼岸花というより、この紅の出方は百合の花。ぶしゅっと吹き出す首なしの身体はなんというか、アメージング。これはこれで――新感覚!
Perfect/
/Cut!!
And…Finish!!
今日はとっても楽しかった。新しい刈り方、新しい目標設定、そして新しい花の咲かせ方。失敗も沢山あったけど、豊作豊作大豊作。さてはて次は、誰を狩ろう?このお薬・・・えっと、確か「マヌタラ」だっけ?これを作ってる人を狙うのもいいかも。偶には目標定めないとね。
――この町には、殺人鬼が住んでいる。
――老若男女無差別殺人極悪非道邪魔外道。
――悪鬼羅刹は権利義務なく人を狩り、そしてその首を刈る。
――正体不明の切り裂き魔はしかし、昼の世界では普通の人ごみに普通に紛れて笑ってる。
――どうしてそれが許される?刈られたヒトが何をした?
――正義は神は、法律は?何故何故悪を、罰しない?何ゆえ弱者を見捨てるか?
――だけれどそもそもこの町は、裏へ踏み込めばやくざ、宗教、裏稼業、秘密と嘘の掃き溜めだ。
――血溜まり死溜まり吹き溜まり。鉛の弾など珍しくもないその場所で、誰が他人を気に掛ける。
――国家権力の及ぶ範囲は限られる。表と精々、裏の「入口」が関の山。それより奥には入らない。
――だから、自分で奥に足を運べば、勝手に入った地雷原。
――何が吹き飛び泣き叫ぼうが、無償の助けがあるはずもなし。
――お前は金を持ってるか?お前の主人は金持ちか?持ってないなら価値は無し。
――知らぬお前が悪いのよ。
――知らぬ貴殿が悪いのよ。
――知らぬ君らが悪いのよ。
楽しいな。楽しいな。明日は誰を、殺そうか。
明日は誰を、咲かそうか。毎日毎日幸せだ♪
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