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【短編集】現実だってファンタジー
KillinGirl Night [R-15]
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つ。
ちょっと難しい角度かな。もうちょっと待つ。
……一番難しい角度になった!今こそ刈り時カッティング!

敢えてそこを狙うのがスリリング!足に力を入れて、チーターのように地面すれすれを疾走!ぐんぐん伸びて、加速して。ポケットからするりと愛用ナイフちゃんを取り出す。地面と水平に刃を寝かせ、峰には人差し指を軽く添える握り方がお気に入り。

距離はどんどん縮まって。
あと5メートル。
3メートル。
1メートル。
10センチ。
コンマ1ミリまで間合いを計って――腕に必要なのは筋肉より突入角。

深く、頸動脈と喉ごと脊髄の隙間を縫うように、ラピッドリィな一閃を。

Very Good Cut !!

何か言おうとしたお兄さんの口がパクパク動き、直後に首から綺麗な紅が噴出した。
おお、会心の一撃。手に返り血もつかなかったし、綺麗に切断しすぎて首が取れそうなくらいぱっくり刈っちゃった。これだけ綺麗に刈ったのは初めてかも。写真に収めたい気分になっちゃう。惚れ惚れするほどグッジョブだ。

――っと?ビルに反射して物音が聞こえてくる。堅気の人じゃあないようね。5人ぐらいで群れている。多分、このお兄さんに薬を渡してるモトジメって奴じゃないかな?なんだか急に、シリアルキラーから仕事人だ。この光景を見られた以上、生かしておけん、って奴だね。


丁度いいや、ここからこの町に薬を撒くイケナイ人たちの仲間なんて咲かせちゃえ、チャレンジタイムがスタートだ。むき出しナイフをそのままに。裏路地の曲がり角からこっちに向かう、悪い人。音を立てないようにのびのび跳躍して、ビルの2階部分にあるむき出しの鉄パイプをグラップ。そこから更に3階の柵、4階の室外機。スパイダーウーマンにだってなれちゃうかも。

今度の狩りはコウモリだ。血の匂いに気付いた黒いスーツのお兄さんが路地を曲がり切った瞬間を見定め、そのまま垂直落下!今度はナイフじゃなくて自慢の美脚でいってみよう。

地面までの距離がみるみる間に縮まる。既に降りる時点で速度も角度も持たせたので、後はタイミングを見計らって足を――路地に入ったスーツのお兄さんの中でも一番後ろにいた頭蓋の真上にプレゼント。

ぱぐっ、と変な音を立てて、踵がぶじゅっとお兄さんの頭蓋を綺麗に割った。

Clash !!

頭蓋には継ぎ目があるって聞いたことがあるよ。きっとそれがパッカンで、中の脳味噌はぐちゃぐちゃかな。ある程度速度を持たせたから、頭蓋から漏れ出す血液と脳髄(わた)は靴底と平行にスプラッシュすると予想したけど、脚が頭蓋の中に入っちゃってお靴の中がさあ大変。紅の飛び散り方がちょっと汚いけど、引っこ抜いた脚先の返り血はソーソーかな。やっぱり血管を斬らないとそこそこ止まり、コンティニューだ。

ピンク
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