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【短編集】現実だってファンタジー
KillinGirl Night [R-15]
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のが大好きだから、怒るオトナよりお姉さんを選んじゃう。そこもキュートでソソられる。

マジメと臆病はノーサンキュー。誘うの面倒、KILLのも面倒、そのうえ刈ってもなんかイマイチ満たされない。何が他と違うんだろう?ともかく声はかけずにスルーがベター。だって楽しくないんだもん。でもねでもね、こっそり後ろに忍び寄り、ササっと刈るのは達成感。

ネオンと街灯に照らされた、ビルと光の摩天楼。寄って集まり囲われ囲み、ここはヒトの見本市。お好きな命を摘まんでみれば、甘くて酸っぱいざくろ味。寄ってらっしゃい見てらっしゃい、在庫限りのセールスよ。急いでお目当てを見つけないと、電車に運ばれ別の店。急いで急いで見つけなきゃ、夜は長いが品薄必至、レディーファーストなんて無い。


今日はあの人、気になるな。

今日はあの人、決定だ。



 = =



決めた相手はお兄さん。甘いフェイスに猫なで声で、不思議なお薬を配ってる。
でもね、私知ってるよ。そのお薬は人を駄目にする悪いお薬なの。お薬を飲んでる人は、みんな斬ってもツマンナイ。骨まであっさり斬れちゃうし、なんだか変なにおいもするし、なにより揃って目が濁ってるし。
そんなイケナイ薬を配っちゃうお兄さんはイケナイ人だよ。これはオシオキ決定だ、この町はシゲキでいっぱいだけど、お薬の刺激はノーサンキューなの。私の狩場に必要ないの。フジュンブツは捨てちゃおう。


だからお願い、アナタは――ここで彼岸花を咲かせてね?


路地裏ってなんだかちょっとロマンチック。町の裏の顔、危険な香り、ハードボイルドの予感がするの。でもこの町の路地に漂う危険の香りは、実は私が流してる。すんすん鼻を鳴らして御覧?しょっぱい潮と、ちょっとメタルな匂いがするでしょ?
危険な香りは中毒にご用心。嗅ぎ過ぎると鼻が馬鹿になっちゃうから、咲かせた後は直ぐにいなくなろう。立つ少女跡を濁さず、ただ紅を残すだけ。彼岸花は毒花なのよ。

そろそろ頃合い、イッちゃおう。

とん、とコンクリートを蹴って空を飛び、窓の淵をゆっくり掴む。6,7メートル跳んだかな?わたしったら人を殺すより新体操かサーカスにいたほうがいいのかも。でもそれも、咲かせた彼岸花を前にすれば気が変わる。天邪鬼のシリアルキラー、だからそれは私なの。

お兄さんが焦ってきょろきょろ周囲を見渡してる。ちょっと面白いけど、残念早めにスイープだ。ノンビリしてると逃げられちゃう。

足で上手く壁を蹴って、背中から体が宙を一回転。ムーンサルトだって決められるけど、高さがあるから二転三転、着地点。つま先でよろけず一発だ。10点満点間違いなしだね。物音にお兄さんが気付いて後ろを向く。振り向く瞬間見つめれば、動きがスローに見えてくる。
まだ簡単な角度かな。まだ待
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