夫になった訳だが……どうしよう?
52話
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その口振りから察するにイザナミがレオに心を読ませて信頼を得たってところか。確かに俺達はレオ達をどうこうするつもりはないので見せたところで困ることはないし、もはや原作知識も朧げなものなので大した問題じゃない。
「だが、ジルはどうする?お前は納得できているのか?」
先ほどまでずっと口を閉じていたジルに問いかける。
「そうですね……マキナさんの事は信用していますし、アラガミであるお二方にとって一部アラガミ化しただけの人間である私達に利用価値があるとは思えません。私達にはさしたる価値はない、その上で引き取りたいというなら断る理由もありません。それに……」
一旦言葉を切って、自分の腕とレオの姿を見てから自嘲気味な笑みを浮かべて言葉を続けた。
「こんな姿ではどうやったって普通には生きられませんから」
確かにジル言う通りなのだが、そんな風に言われてしまうとこちらとしても引き取らざるを得ないというか、こんな状態で助けてしまったという責任を感じずにはいられない。
「どうかな、マキナ?」
「分かった、ここで断れる程冷たい人間でもないから引き取ることには何も言わないし賛成しよう」
そもそも、こんな場の空気の中断れる奴はそういないだろう。
「おや?こんな可愛らしい少女と人懐こい素直な少年を引き取るというのに随分な態度ですね?」
「ね、姉さん!?お父さんに失礼だよ!!」
「いや、レオ……ジルはこういう性格だってのは助けた時に理解してるつもりだからいいんだ。それと可愛らしいと言っても喋らなければってのが付くってのを自覚しろ、ジル」
すると、ジルは意地の悪そうな笑みを浮かべて、
「私が可愛らしいというのは否定しないんですか?」
「俺の価値観においてイザナミには劣るって前置きが付くけどな」
「……親の惚気程うんざりするものはないという知識を得ましたよ」
「……言わないでくれ、俺自身さっきのは地雷だって言ってから気がついたから」
「えっと……夫婦仲がいいのはいい事だよ、お父さん?」
「レオ、フォローは有難いがちょいズレてるからな?」
そんなやりとりを見ていたイザナミは楽しそうにな笑みを浮かべながら、黒い腕でレオとジルを抱き寄せた。
「こういうのを家族って言うんだね」
「え、ええ、そうらしいですよイザナミさん」
「こら、イザナミさんじゃなくて?」
イザナミはジルに向かって少し頬を膨らませて嗜める。とはいえ、ジルも母と呼ぶには少なからず抵抗があるようで言い淀むばかりだ。
「姉さん、ちゃんと言わなきゃダメだよ?」
しかし、弟であるレオにまっd言われた事で諦めがついたようだ。
「はぁ、レオにまで言われるなんて……ごめんなさい、お母様」
顔を真っ赤にしていうとジルはそれきり黙り込んでしまったが、イザナミはジルの頭を撫でながら嬉しそ
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