あ〜、後始末面倒臭い
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サリナが!!!」
俺らが駆け付けた時、サリナは既に血は止まっていたが虫の息だった。
「時間を、かけすぎましたね・・・・・。」
怪我等の状態を確かめたネーナさんはそう言って悔しそうに唇を噛む。
助からない?
いや、そんな馬鹿な・・・・・・。
「オッサン、俺に使った薬は? まだあるんだろ?」
「いや、無茶言うな・・・・。高いから緊急用に1本持ってただけだ。」
「は?」
オッサンの言葉に思わず青筋が浮く。
仕方ねぇんだ、それは分かる。何本も高価な薬を用意するよりも安いのを大量に買って細目に使うのが効率的だ。
分かってるが、今の俺は誰かにキレないとやってられなかった。
「何言ってんだよ!! じゃあサリナがやられた時がその『緊急』じゃなかったのかよ!!? お前ふざけんなよ、アァ!?」
カゲツグとの戦闘で砕けたオッサンの鎧の下にある帷子を掴んで怒鳴りつける。頭では分かってても止まらない。
「オッサン、お前は俺の呼吸法での治療を知ってるだろ!? 俺はほっといてもある程度は自分で治せた!! 何でその俺を治してサリナをほっとくんだよ!!!」
そのままなおも言い続けようとした俺に、オッサンは腕を振り上げ・・・・・
バキッ・・・・・・!!
思い切り顔面を殴り飛ばした。
「ッ、テメェ・・・・!!」
「ナマ言ってんじゃねぇぞ小僧!!!!」
文句を言おうとしたが、言えなかった。
何もオッサンの大音声にビビった訳じゃねぇ。だが情けないことにサリナを助けるのに言い合いが無駄だと思ったからでもなかった。
オッサンが泣いてたんだ。
「この職業で・・・・・、冒険者って職業で、死ぬって出来事は報酬を貰う事の次によくある出来事だ! そして、そのほかにはない! 冒険者は死ぬか報酬を貰うかの2択しかねぇんだよ!!」
仲間の死の場面においては非常にも聞こえる言葉を、本心にしか見えない「仲間を死なせた事への後悔と悲痛の涙」と共に叫ぶオッサン。
そんなオッサンの姿に何も言えず固まった俺を無視して、オッサンは続ける。
「その2択に対する覚悟は、ギルドカードを貰った時に皆してんだ! お前はその波紋とやらのせいで傷つくことが少ないもんで忘れてたようだがな!!! そして仲間は、確実に死ぬ奴か生きる可能性がある奴かだと後者を助けんと駄目だ! それがチームで1人でも多く生き残る手段だからな!! テメェの言ってることは、それを全く頭に入れてねぇ甘ちゃんの戯言だ! 馬鹿みてぇに感情に任せて荒れてんじゃねぇぞ!!!」
「オッサン・・・・・・・・。」
その言葉と、オッサンの涙。そしてサリナの傍で声を出さずに静かに泣きながら荷物等をまとめてるネーナさんを見て、思った。
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