第四章
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きた。
律子から見てだ。春馬は非常に素晴しい男性だった。物静かで真面目でしかも謙虚でだ。酒癖が悪いところがあるが騒ぎ寝るだけでだ。暴力は決して振るわない。
そうしたところも見てだ。彼女は決めたのだった。
「結婚するんだね」
「はい」
部長にだ。笑顔で報告するのだった。
「今度の六月に」
「そうか、遂に君も」
「はい、今から楽しみです」
「そうだろうね。幸せがはじまるのだから」
「はじまるのですか」
「そうだよ。結婚が幸せのゴールじゃないんだ」
そうだとだ。部長はその幸せに満ちた顔で話す。
「幸せのはじまりなんだよ」
「ゴールじゃないんですね」
「そう、幸せをはじめるんだよ」
また言う部長だった。
「結婚式という最高のスタートからね」
「最高のスタートから」
「いいね、幸せになるんだよ」
部長は温かい笑顔でこう律子に話す。そしてだ。
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