第01話 転移
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「コピーの光輝は、今どこに?」
「コピーは、やめてくれ。せめて分身体と言ってくれ。俺の分身体は、核融合炉搭載の万能工作ユニットと資材と共に転移装置の所に待機中だ。」
「核融合炉ね。発表はしないの?」
「今はまだ出来ない。エネルギー革命と言っていい。世界のパラダイムシフトが起こる。夕呼センセの老化防止の遺伝的治療法と一緒だ。世界へのインパクトが大き過ぎる。せめて国内の難民問題が解決しないと・・・。」
「まぁ、そうね。ところで、最初の転移先が ”ゼロの使い魔” の世界というのは、どうして?」
「観測衛星だと、平行世界を見つけるのに物量と時間が掛かるし、何より転移先が白陵大付属柊学園跡地(横浜)に限られるからな。それに、物質転移は、此方からの一方的な転移しか出来ない。
今は物質転移や転移先との通信に使うG元素採掘も、バレないように、南極の氷層下の地層と月面の裏側の表層からしか、行っていない。
虚無の魔法である世界扉を科学的に実現出来れば、目的の世界との行き来が容易に出来る可能性がある。」
「バックアッププランもあるのでしょう?」
「まぁ、バックアッププランと呼べるか分からないが、地道に観測衛星を平行世界に送って、その世界の科学技術をハッキングして行くしかないのだが・・・。」
「仕方ないわ。」
今まで、静かにしていたタチコマが報告する。
「光輝くん、白陵大付属柊学園跡地にいる光輝くんの分身体から通信が入っています。転移の準備が完了したとのことです。」
「タチコマ、転移装置の光学映像を出してくれ。」
モニターに光学映像が映し出される。そこには、4つの塔が聳え立っている。
『分身体、頑張ってくれ。』
通信を使って本体の光輝から、分身体に声をかける。
『了解。本体と夕呼センセもお元気で・・・。』
分身体は、会釈しながら通信に応じる。
『頑張ってね。それと、私と光輝のクローン体も作るらしいけど、しっかり育ててね。』
夕呼は、モニターを通してウインクしながら分身体に声を掛ける。
『はい。頑張ります。』
『光輝くん、カウントダウン始めます。』
タチコマがカウントダウンを開始する。
『30…20…10…5,4,3,2,1,0』
カウントダウンに合わせてモニターの画像がズームアウトし、カウント終了共に4つの塔が輝き出した。
「量子力場、安定。異次元転移します。」
タチコマは、転移装置のモニターを見ながら答えた。
その瞬間、4つの塔を起点に正四角柱に光の渦が溢れ出していた。
「座標2204ポイントへ転移しました。」
タチコマが答えると、正四角柱の光が薄れて行き4つの塔だけが残
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