第八章
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第八章
「そういえばあの娘幾つだろうな」
「あまり大きくないからそんなに大人には見えないけれどな」
「二十はいってないよな」
「大学生、じゃないよな」
「十七かその辺りだよな」
「俺達と同じ位だよな」
彼女の年齢について考えるのだった。それでだ。
彼等はだ。英梨の年齢をこれだと言った。
「十六ってところかな」
「俺達と同じじゃないだろ」
「一学年年下だよな」
「そんなところか?」
「そうだよな」
「ああ、英梨ちゃんな」
剛士もその彼女のことを話した。
「あの娘同じ歳だよ」
「ああ、十七か」
「じゃあ高二か」
「俺達と同じ学年だったのか」
「そうだよ。それで通ってる学校はな」
何処かだ。剛士はこのことも話した。
「八条高校だよ」
「えっ、俺達と同じ学校だったのかよ」
「そうだったのかよ」
「同じ高校に通ってたのかよ」
「そうなんだよ。商業科だったんだよ」
彼等は普通科だ。八条学園高等部、即ち八条高校は多くの学科があるのだ。その他には工業科に農業科と実に様々である。
その商業科だと話してからだ。剛士はこんなことも言った。
「いやあ、灯台下暗しだよな」
「同じ高校だったのかよ」
「学部は違うけれどな」
「同じだったんだな」
「本当に意外だよな」
そのことを話す剛士だった。それも笑顔で。
「いや、だから今日もな」
「今日もかよ」
「何するんだよ」
「一体どうしてるんだよ」
「下校のデートするんだよ」
のろけきってだ。そのうえでの言葉だった。
「いつも通りな」
「おいおい、商店街のはファーストデートじゃねえのかよ」
「そうじゃなかったのかよ」
「もうとっくにでデート何回もしてたんじゃなかったのかよ」
「ああ、休日のデートははじめてなんだよ」
その日のデートはだというのだ。
「それでなんだよ」
「ちぇっ、恵まれてるな」
「こんな馬鹿があんな可愛い女の子といちゃいちゃってな」
「世の中間違ってるだろ」
こんなことを言ってだ。それでだった。
彼等は同時にだ。こんな言葉も口にした。
「けれどなあ。いいか」
「俺達も彼女ゲットするか」
「そうしようか」
建設的な結論に至った。彼等は前向きだった。
そしてその前向きさでだ。こんなことも話した。
「じゃあこいつに負けない様にな」
「気合入れて探すか」
「そうしようか」
「じゃあファミレス行けよ」
剛士は決意する彼等に笑顔で声をかけた。
「あそこに行ったらいい女の子いるぜ」
「ああ、かもな」
「じゃあ俺達もな」
「あの店に行くか」
こうだ。彼等も笑顔で言い合うのだった。幸せになった剛士を見てだ。そう思いそこに向かわずにはだ。いられなくなったのである。自分達も幸せになる
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