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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十一話  地球制圧
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ミナを削られるからな。原作ではかなり酷い状況になっている。

『御教示、有難うございます。早速に準備させましょう、閣下が気遣って下さると分かれば兵達も喜ぶと思います』
「ちょっと思い付いただけです。余り大袈裟にはしないで下さい」
いや本当、あんまり大袈裟にして欲しくない。上手く行くかどうかも分からないんだから。そう思ったがワーレンは首を横に振った。

『閣下が常に我々の事を考えて下さる事は小官が良く分かっています。小官も閣下の御配慮の御蔭で命を失わずに済みました。もし地球教徒に殺されていればこの艦隊はとんでもない混乱に見舞われていたでしょう。犠牲になってしまった護衛の事を思うと胸が痛みますが閣下の御配慮により我々は任務を遂行出来そうです』
「……」

犠牲? どういう事だ? そんな話は聞いていないぞ。いや、まず落ち着け、ワーレンは任務遂行中だ。不安を与えるんじゃない、訊くべき人間は他にもいる。
「ワーレン提督」
『はい』
「地球教は帝国の敵では有りますが同時に人類の敵でもあると私は考えています。必ずその根拠地を叩き潰してください」
『はっ、必ずや御期待に添います』
互いに敬礼をして通信を切った。

ヴァレリーにフェルナーとキスリングを呼ぶようにと頼むと溜まっている決裁の処理、報告書の確認に取り掛かった。最初に読んだのは憲兵隊と兵站統括部監察局からの合同報告書だった。憲兵隊と監察局は汚職に関わった軍人を取り調べているがどうやら殆どが常習犯らしい。貴族達が居なくなる前から罪を犯している。金額が小さかったので目立たなかったのだろう。過去に遡って調べているため取り調べには時間がかかりそうだ。

頭が痛いよ、補給や兵器製造部門は汚職が起き易い。本当なら監察がもっと厳しく取り締まらなければならないんだがどうにも力が弱い。元々嫌われる部署だからな、戦争とは直接関係が無い所為で引け目を感じているのかもしれない。強化した方が良いな、捜査能力が有り金の動きの分かる奴を監察に配備する。監察を強化していると分かるだけで抑止力になると思うんだが……。エーレンベルク、シュタインホフに相談だな。

次に読んだのは辺境開発の報告書だった。金がかかる、計画の見直しが必要だと書いてあった。早い話が開発を止めたい、それが無理ならペースを落とせ、辺境の貴族に任せろって事だな。金がかかる事は分かってるんだよ、馬鹿野郎。だからって止めてどうする、何も変らないじゃないか。

辺境を変えるためには投資しなくちゃならないんだ。北海道を見ろ、明治からずっと投資して開発したからあれだけ発展した。目先の事じゃなく百年先を考えろ! ……意識改革が必要だな、官僚達は辺境をお荷物と思いがちだ。あそこはこれから発展する宝の土地なんだ。そう思わせないと。

リューネブルクから
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