夫になった訳だが……どうしよう?
51話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れるだろうな。さて、これに対してどうするのやら。
「マキナさん、一つ言わせて頂きます」
ジルは槍を突き刺したまま俺の方を見た。
「機能を付け加えるのは構いませんが、使うのは私だということを忘れないで下さい」
直後ジルの槍が棘を伸ばし、グボロ・グボロの砲身を穴だらけにするが彼女はそれを引き抜こうとはしない。いや、先程の言葉から察するに単純に力が足りず、棘の生えた槍を引き抜けないのだ。
それを彼女はグボロ・グボロのウォーターカッターによる水圧によって押し出される事で強引に引き抜こうと考えた。結果としてそれは成功し、グボロ・グボロの砲身は完全に崩壊した。
確かにこれは俺の設計ミスだったな。だが、一つ言い訳をさせて欲しい。俺の周りにいた奴で近距離で戦っていた奴を思い出してくれ。カノン、ユウ、アリサ、ソーマだ。アリサは兎も角残りの三人に関してはあの設計でも普通に引き抜けるだろうし、俺の周囲にいたゴッドイーターと言えば彼らだったのだから基準が狂うのも致し方ないだろう?
「マキナさん、謝罪は?」
「悪かったよ……ってこのバカ!!」
ジルの奴、砲身を壊したからって気を抜きやがったな!?収束できなくてもグボロ・グボロは水圧だけで人を潰すことくらいできるんだよ!!
その証拠にグボロ・グボロは壊れた砲身から再度水を発射しようとしている。ウォーターカッターより殺傷能力は低いが、その水圧は人の潰す位の勢いはまだあるのだ。
ジルも気づいたようだが回避は間に合わない、今からグボロ・グボロを殺しても発射は止められない。あークソ!!仕方ない!!
「ちょ、ちょっと何やってるんですか!?」
「見て分からんか?お前の盾になってるんだよ、あー地味に痛いな」
マントでの防御もあるのでこのくらいで死にはしないし大したダメージはないんだが、うん想像より大分痛いな。背中全部に満遍なく金槌で叩かれれいる感じだ……
放水が数秒続いてから止むのと同時にジルは俺を通り抜けて、一直線にグボロ・グボロを再び貫いた。そして、すぐに棘でグボロ・グボロの体を串刺しにすると、正拳突きの要領で槍をさらに深く叩き込み体内を抉る。それを何度も繰り返し、ついに槍は貫通し終えグボロ・グボロの体にトンネルのような大穴を開けた。
「お前……やれるなら最初からやれよ」
「こういう力押しはバカのやる事なんでしたくないんです」
「じゃあ、お前も今日からバカの仲間入りだ」
「認めたくはありませんが、バカはうつるみたいですね」
ジルは俺に手を差し出して、視線を俺に向けた。俺がその手を握り返して握手に応じると、徐々に視界がぼやけ意識も朦朧としてきた。どうやらここから出られるらしいな……
「あ、それと一度しか言いませんからちゃんと聞いてくださいね」
ん?なんだ?
「ありがとうございました」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ