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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story5 鼠人間
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アオイとコテツが言った。

「ねぇ、次は私からシンに質問してもいい?」
「良いぞ。と言っても、質問の内容は大体検討がついてんだけどな。」

エメラの言葉にシンは頷いた。

「シンはどうして、鼠と仲が良いの?」
「やっぱり聞くよな、それ。」

エメラの質問の内容が検討していた事と同じ事だったらしく、面白可笑しそうにシンは笑った。

「その答えは・・・」

そう言うと、シンは左手首に着けていた緑と赤茶色の石のブレスレットを外した。
ボワワワワワァンと白い煙が部屋中に立ち込めた。

「ケホッ、ケホッ。」
「ゲホッ、ったく・・ゲホッ、相変わらずゲホッ、すごい・・煙、だな・・・ゲホッ、ゲホッ。」

ウェンディが咳き込み、ナツが煙を手で掃いながら愚痴を吐く。
ようやく煙が晴れると、そこにシンの姿は無かった。

「あれ?」
「エメラ、下を見てみろ。」

エルザに言われてエメラは視線を下に移した。そこにはシンを取り囲んでいた黒い目の鼠達とは違う、赤い瞳の鼠がいた。

「俺が、十二支の“()”の血が流れているからだ。」

赤い瞳の鼠が言葉を喋った。
エメラは翠玉(エメラルド)色の瞳を丸くした。

「うあああああああああああああああっ!」

イブキが悲鳴を上げ、バンリの後ろに身を隠す。

「あーそういえば、イブキは鼠が大の苦手だったな。すっかり忘れてたぜ。ていうか、鼠が嫌いなら、何で()()()の後着けて来たんだ?」

()”の姿になったシンが首を傾げた。

「し・・仕方ねェ、だろ・・・ウェンディに、無理矢理・・連れて来られたんだから、よぉ・・・」
「スミマセン、イブキさんが大の鼠嫌いだという事に、私も今思い出しました。」
「そんな大事な事忘れるなよ・・・」

ウェンディが申し訳無さそうにイブキに謝罪する。

「十二支の、“()”の血・・・?」
「その言葉通りだ。バンギ家は代々人間と“()”の混血族だ。俺はそのバンギ家の、10代目なんだ。まぁ分かり難かったら、俺の事は“鼠人間”って覚えてくれればそれで良い。」
「はぁ・・・」

目の前にいるシン―――“鼠人間”を見て、エメラは納得したようなしてないような反応をする。するとボワワワワワァンと再び白い煙が立ち込めた。

「コホッ、コホコホッ。」
「ゴホッ・・ったく・・・ゴホッ、鬱陶しい煙、だな・・ゴホッ、ゴホッ。」

ルーシィが咳き込み、アオイが咳き込みながら愚痴を吐く。
ようやく煙が晴れると、人間の姿に戻ったシンがいた。

「姿が戻るタイミングは一貫してないから、いつ戻るのかが分からないのが欠点で困るんだ。因みに、こっちの姿が本当だからな。」

シンは肩に上
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