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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story5 鼠人間
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達に向かって一礼をした。

「ね・・鼠が、一礼した・・・」
「すごーい。」
「ホントに鼠なの?」

ハッピー、コテツ、シャルルの順に言う。

「ね・・ねぇ、話の意味が分かってないのって・・・私、だけ?」

エメラがおどおどとした様子で自分を指差す。

「見慣れない顔だな、新人か?」

シンもエメラを見て不思議そうに首を傾げる。それとほぼ同時に、300匹以上いる鼠達も首を傾げたのは余談だ。

「この子はエメラルド・スズラン。皆からは“エメラ”って呼ばれてるわ。つい最近ギルドに入ったばかりなの。」
「エ、エメラルドです!初めまして!」

ルーシィからの紹介が終わった後、エメラはもう一度名乗りぺこっ、と頭を下げた。

「俺はシン・バンギ。今は旅をしていてギルドに顔を出す事はほとんどねェけど、列記とした妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔道士だ。よろしくな、エメラ。」
「よ、よろしく、です!」

差し出された手を握ってエメラとシンは握手を交わす。

「ところで、さっき言ってた“記憶の宝石”って何だ?」

エメラの手を離した後再びシンが首を傾げながら問う。

「簡潔に言えば、エメラの記憶が封じられている宝石の事だ。」
「はっ?」

「簡潔」と言いながら、エルザの言葉を聞いてマヌケの声を出すシン。
今エルザが言った言葉だけで、“記憶の宝石”の事を理解出来る人はそうそういないだろう。

「エメラは何らかの理由があって、記憶が無いんだよ。」
「!?」

コテツの言葉にシンは目を見開いた。

「そのエメラさんの記憶は、100個の宝石に封じられているんです。理由は、分かりませんが・・・」
「エメラの記憶を封じている宝石を、俺達は“記憶の宝石”って呼んでいるんだ。」

ウェンディとグレイが最後を締め括った。
シンはしばらく放心状態になっていたが、両手で自分の頬をペチン!と叩いた後、深緑色のハーフパンツの右ポケットに手を突っ込み、中から“記憶の宝石”を取り出した。

「これが、エメラの記憶を封じている“記憶の宝石”なのか?」
「そうだ。」
「“記憶の宝石”が100個集まれば、エメラの記憶は全て戻るのよ。」

シンの問いにアオイが頷き、ルーシィが更に説明を足す。
すると、ナツとハッピーがシンに頭を下げて顔の前で手を合わせていた。

「その宝石は、エメラにとって大切のモンなんだ。頼むシン!その宝石を、エメラに譲ってくれっ!」
「オイラからも、お願いします!」

ナツとハッピーが口々に言うと、それに続いてグレイ、コテツ、ルーシィ、エルザ、アオイ、ウェンディ、シャルル、イブキ、バンリが頭を下げた。

「頼む、シン!」
「シン、お願い!」
「エメラの為にも、頼む!」

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