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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story5 鼠人間
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ターが「ふひゃひゃひゃひゃ」と妙な声を上げて笑うと、

「心配せんでいい。この鼠達は、恐らく()()()の友達じゃろ。それに見よ。」

マスターが鼠達を指差した。ギルドメンバーは全員恐る恐るという感じでマスターが指し示した方に視線を移した。
よく見ると、鼠達は木の実や鳥の羽、綺麗な小石やアンゼンピンなどを持ってギルドのドアへ向かって走っていた。

「あの穴を通路として、引っ越しでもしとるんじゃろ。邪魔せずに、しばらくじっとしていれば大丈夫じゃよ。」

マスターの言葉に従い、ビクビク震えながらも鼠達に危害を加える者は誰一人としていなかった。イブキが「早く出てけ・・・早く出てけ・・・」と呪いをかけるように繰り返し呟いていたのは余談だ。
300匹以上の鼠達の大半はギルドを出て行き、最後に出て来た6匹の鼠達が穴から飛び出した。6匹の鼠達は、薄ピンク色の宝石を抱えていた。

「あーーーっ!」
「“記憶の宝石”だーーーっ!」

ルーシィとハッピーが声を上げる。
その間に“記憶の宝石”は6匹の鼠達と共にギルドを出て行ってしまった。

「なぜ鼠が“記憶の宝石”を持っているのだっ!?」
「もしかして、“記憶の宝石”って食えるのかっ!?」
「んな訳ねーだろっ!」

苺のショートケーキを食べ終えたエルザが驚嘆の声を上げ、ナツの言葉にグレイがツッコミを入れた。

「ていうか、追わなくていいの?」
「“記憶の宝石”って、エメラの記憶なんでしょ?」
「早くしねェと、取り戻せなくなっちまうぞ。」

レーラとサーニャが首を傾げながらナツ達に問い、ジーハスが頭の後ろで腕を組みながら言った。ナツ達はしばらくその場に佇んでいたが―――――

「た、た、た・・大変だーーーっ!」
「あの鼠を急いで追うんだっ!」
「鼠待ってぇ〜!」

コテツとアオイが声を荒げ、エメラを先頭にナツ、ハッピー、ルーシィ、グレイ、コテツ、アオイと続いてギルドを飛び出して行った。
駆け出そうとしたエルザとウェンディとシャルルが、まだ魔道書を読んでいるバンリと、まだテーブルの上で小さくなって怯えているイブキに気づいた。

「おいバンリ、魔道書なんか読んでる場合かっ!行くぞっ!」
「イブキさんも早くっ!」
「鼠くらいで怯えてどうすんのよっ!ほら、行くわよっ!」
「あ。」
「え・・お、俺も・・・?」

読んでる途中の魔道書を取り落としたバンリの首根っこをエルザが引っ張り、まだ怯え気味のイブキの手をウェンディとシャルルが引っ張り、ナツ達の後を追いかけてギルドを飛び出して行った。

「リンさん、俺達はどうします?」

ティールが隣に座って煎茶を飲んでいたリンに問い掛けた。リンはズズズズ・・・と美味しそうに煎茶を啜った。


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