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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story5 鼠人間
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くガジルの後をリリーが着いていく。

「あ。」
「あれ?」
「ん?」

ナツ、ウェンディ、ガジルが同時に同じ場所に顔を合わせた。

「お前等も聞こえたのか?」
「ナツさんも?」
「んで、その音が聞こえるのが・・・」

音が聞こえてきた場所は、ギルドの隅っこからだった。そこには、拳が1つ嵌まるくらいの大きさの穴が開いていた。喧嘩の最中に、誰かが壊したりして出来たものだろう。

「真っ暗だ。」

穴の中を覗き込んだナツが呟く。

「でも、音はここから聞こえるのは間違いねェ。ハッピー、覗いてみろ。」
「あい。」

ナツに言われてハッピーも穴の中を覗く。

カリカリ、カリカリカリ―――――。

「何か聞こえるよーっ!」
「さっきからそう言ってるじゃない。」
「何の音だ?」
「分かんないけど、何かを削ってるような・・・?」

リリーに問われてハッピーが曖昧に答えたその時―――――

「チュー。」

小さな鳴き声が聞こえたのと同時に、穴から鼠が飛び出して来た。

「ぎゃああああああっ!」

ルーシィが悲鳴を上げ、一目散にその場から走り去る。
1匹や2匹、数匹ではない。数え切れないくらいの大量の鼠が穴の中から次から次へと飛び出してきた。

「うわぁっ!」
「な、何だ何だァ!?」
「キャアアアアッ!」
「ヒィイイィィイ!」

ウォーレンが飛び上がり、マックスが驚嘆の声を上げ、ラキとキナナが抱き合いながら悲鳴を上げる。

「・・ったく、うるっせーなぁ・・・人が気持ち良く昼寝してるっつーのに」
「イ、イブキ!し、下!下ァ〜!」
「下?下がどうかし―――――!!?」

気持ちよくテーブルの上で突っ伏して昼寝をしていたイブキが周りの騒がしさに文句を言いながら目を覚ました。すると、青ざめた顔をしたコテツがイブキの足元を指差す。
イブキは吊り気味の紫と赤のオッドアイを足元に移した瞬間、顔から血の気が失せ、大粒の冷や汗が額から流れ出した。

「うあああああああああああああああっ!」

悲鳴を上げながら必死にテーブルの上に攀じ登り身体を縮める。

「イブキは鼠が嫌いだったな。」
「何でそんなに冷静でいられるんだよお前はーーーっ!?」

表情を一切変える事無く、魔道書から視線を離す事無くバンリが呟いた。
そんなバンリを見てイブキが透かさずツッコミを入れるが、鼠の姿が視界に入るとすぐにまた身体を縮めてしまった。

「マ、マスター・・・」
「これはちょっと、不味いんじゃ・・・?」

青竜刀(セイリュウトウ)を構えたアオイと、その後ろに隠れるエメラがバーカウンターに座って呑気に酒を飲んでいたマスターに声を掛ける。
すっかり酔ってしまい、赤みを帯びた顔をしたマス
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