55章 マイ・シンプル・ラバー
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たテーブルに、川口信也たちもいる。
「岡ちゃん、あの詞は、岡ちゃんのことを書いてるのかな。
よっぽど、美菜ちゃんは、岡ちゃんのこと、好きなんだな。
岡ちゃんは幸せだ。あっはは」
そういって、わらいながら、岡の肩を軽く叩いたのは、川口信也だった。
「しんちゃん、あれは、フィクションですよ。虚構の世界です」といって、岡昇が頭をかく。
「なるほど。どこまでが、フィクションで、どっこからが、現実なのかって、
よくわからないのが、この世界だからね。はははは」
生ビールで、ほろ酔い気分の信也は、そういうと声を出してわらった。
「それにしても、南野美菜ちゃんは歌はうまいし、いい曲作るし、
音楽界でやっていけるよ、きっと。きょうだって、水谷友巳くんも、
南野美菜ちゃんも注目されてるから、テレビと雑誌の取材の
スタッフさんも来てるしね!」
そういって、岡や信也に微笑むのは、テーブルの向かいの、
モリカワ・ミュージックの森川良であった。
「ぼくも、美菜さんの歌唱力は、日本でも世界でも屈指なものだと
感心しているんですよ」
そういったのは、清原美樹と交際している、松下陽斗だった。
きょう、このイエスタデイには、早瀬田大学のミュージック・ファン・クラブ(MFC)の
部員たちも、清原美樹の親友の小川真央や、
クラッシュ・ビートやグレイス・ガールズのメンバーも揃っていた。
「ひとって、恋をすれば、大抵は、詩を書きたくなるんだわ」
信也の隣の席に座る大沢詩織が、微笑みながら、そういう。
「そうそう、恋すると、詩人になっちゃうわよね」
詩織の隣の、清原美樹がいう。
「わたし、恋の詩書こうとして、書けなかったわ。
でも、恋しているあいだは、心の中は、詩人でいられるわよね。うっふふ」
そういって、いたずらっぽく微笑んで、美樹と目を合わせる、小川真央である。
「わたしも、恋しても、詩は書かないわ。書けないし」
そういったのは、詩織と美樹と真央の向かいに座る、
川口信也の妹の美結だった。
「美結ちゃんには、おれが詩を今度書いて、プレゼントしてあげようかな!」
生ビールに酔いながら、そういったのは、美結の隣に座る、
美結の彼氏のタレントで、人気上昇中の沢口涼太だった。
「やったわ!だから、涼ちゃんは、大好きなの!」と美結は歓ぶ。
「あっはっはは」と、みんなは、声を出して、わらった。
和んだ雰囲気の中、ドン・マイのメンバーは、ステージに立った。
リーダーで、ベースギターの、草口翔。ドラムスの、山村正志。
リードギターの下田元樹。ヴォーカルの南野美菜。
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