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妖精の義兄妹のありきたりな日常
水泳大会その後
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ってるよ。このままじゃダメなのも。」
「なら、」
「でも…、体が勝手に動いちまうんだ。ウェンディがつらい思いをするのは見てらんねーだ…。」
タクヤは窓際に立ってそう言った。外はまだ完全には日が沈みきっておらず、
紫色の空に星がちらほら見えている。
「…今度ぶっ倒れるような事があったらアンタの治療はしないよ。」
「あぁ、なるべくそうならないようにするさ。」
「それと、ほら。」

ポイ

ポーリュシカはタクヤに一つのふくろを投げやった。
「これは?」
「私が用意した欠乏症用の薬だ。毎日飲めば治る。」
「おぉ!ばあさんサンキューな。」
「フン、私はこれで帰らせてもらう。」
そう言ってポーリュシカは医務室のドアを開けようとした。

ガチャ

「!!」

ドサドサ ドサッ

「「うわぁー。」」
「なにやってんだ?お前ら。」
ポーリュシカがドアを開けると雪崩のようにナツたちが流れてきた。
「いてて、おぉ!タクヤ。元気なったか?」
「あぁ、おかげさまでな!!」
「よかったねー。」
「で、何してんだよ。」
タクヤは倒れているみんなに事情の説明を求めた。
「今日お兄ちゃん家でパーティーをやろうって事になって。」
「それでタクヤを呼びに来たのよ!!」
ウェンディとルーシィが立ち上がりながらそう答えた。
「いや、なんでオレん家なんだよ!!?」
「いーじゃねーか。それともなんだ?人に見られちゃまずいもんでもあんのか?」
「そうなの!!?お兄ちゃん!!」
グレイがニヤニヤしながら迫ってき、ウェンディも食いついてきた。
「そ、そんなのあるわけねーだろ!!!ウェンディもそこに食いつくな!!!」
「なら決まりだな。」
「「いぇーい。」」
タクヤを置いて一同は勝手に話を進めていった。タクヤの意思などは当たり前のように無視される。
「はぁー…。」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。」
そう言ってタクヤを慰めてきたのはエマだった。何故だか輝いているように見える。
「エマ…。もしかして、お前がみんなを…。」
「それはどうでしょうねー。」
エマは満面の笑みを浮かべながらみんなの輪の中に入っていった。
「ウェンディ、タクヤの家を案内してくれ。」
「はい、わかりました!」
エルザがウェンディにタクヤの家を案内させる。
それと同時進行でエマとルーシィ、ナツ、ハッピーがパーティー用の食材の買い出しに出掛けた。
「お兄ちゃんもほら!行こっ!」
「なんかどっと疲れが出てきたんだけど…。」
「気のせいじゃないわよ。」
「あ、やっぱり…?」
シャルルの一言を聞いてさらに、疲れが出てしまった。
タクヤはウェンディに手を引っ張られながら自分の家へと向かった。












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