YES!ウサギが呼びました!
第二話 「箱庭」
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」
軽薄そうに笑う十六夜の目は笑っていない、理不尽な召集を受けた六人は腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線を出てきた黒ウサギに向ける。
「や、やだなあ皆様方。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたらうれしいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「・・・・・・」
「獣人か??」
「おぉ〜古城君、バニーガールだよ!!バニーガール!!」
「あっは、取りつくシマもないですね♪」
バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。
しかし、その目は冷静に六人を値踏みしていた。
と、耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、
「えい」
「フギャ!」
力いっぱい引っ張った。
「ちょ、ちょっとお待ちを!まさか初対面でいきなり遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
「へえ? このウサ耳って本物なのか?」
今度は十六夜が右から掴む。
「じゃあ私も」
飛鳥は左から。
「ちょ、ちょっと待―――」
そう言って黒ウサギは視線で助けを古城達にうったえるが、零菜はウサ耳を触りたそうにこちらを見ていたり、雪菜は銀色の槍を持ちながらこちらの様子をうかがい、そんな二人を苦笑しながら見ている古城というありさまで、黒ウサギは助けにならないと悟る。
そして黒ウサギの言葉にならない悲鳴が空まで響きわたった。
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