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ハイスクールD×D 『存在の消失〜 Memory life 〜』
二話『山修行と小さな夢』
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とわかるだろう。

「…………そう」

「それより、リアスさんこそ何をしてたんですか?」

「私はライザー戦の作戦を考えていたのよ」

「あの焼き鳥って、やっぱりフェニックスだから無敵ってことですか?」

俺は一応気になっていたことを聞いてみた。

「いいえ、勝つ方法は二つだけあるわ。一つは神クラスの攻撃で一撃で倒すこと。もう一つは、精神が崩れるまで倒し続けることよ」

(その二つなら、最後の方がやりようはあるな)

「ねぇ、刀矢?あなたは私のことをなぜ、リアスさんって言うの?」

俺がそう考えていると、リアスさんがそんなことを聞いてきた。

「……ん〜。俺は嫌いなんですよね。そういう何かの役職で呼ぶのは、その人の存在が消えるみたいで…………」

「そう……なの」

俺の言葉を聞き、リアスさんが少しだけ表情を曇らせる。

「俺も聞いていいですか?」

「ええ、いいわよ」

「リアスさんはこの婚約になぜ、反対なんですか?」

「私は『グレモリー』なのよ」

「はい。知ってますよ」

俺はいきなり自分の名前を言ったリアスさんに、対してそう答える。

「いえ、改めて名を言ったんじゃないの。私はあくまでもグレモリー家の人間で、どこまでいってもその名が付き纏うってこと」

「それが嫌なんですか?」

「誇りに感じているわ。けれど、私個人を殺しているものでもある。誰しも私のことをグレモリーのリアスとしてみるわ。リアス個人として誰も認識してくれないの」

遠い目をしているリアスさん。

だが、その目は少し前の俺とほとんど同じ目だった。

(リアスさんも俺のように苦しみ、そして絶望しかけている。俺にサーゼクスさんがくれた希望のように、俺もリアスさんの希望にならないと!!)

「私はグレモリーを抜きとして、私を、リアスを愛してくれる人と一緒になりたいの。それが私の小さな夢。…………残念だけど、ライザーは私のことをグレモリーのリアスとして見ているわ。そして、グレモリーのリアスとして愛してくれている。それが嫌なの。それでもグレモリーとしの誇りは大切なものよ。矛盾した想いだけど、それでも私はこの小さな夢を持っていたいわ」

「だったら、その夢を諦めないで下さい!俺はリアスさんの事は好きです。だから、リアスさんは夢を諦めずにいてください。絶対に焼き鳥を倒して、リアスさんの夢を守ります。リアスさんの夢はリアスさん自信の大切な心のようなものですから、俺が…………いや皆が守って見せますよ!」

俺は気づけば夢中でそんなことを言っていた。

「…………ありがとう……ありがとう、刀矢」

そう言ったリアスさんは涙を流していた。














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