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無欠の刃
下忍編
人間+化け物÷2
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と、ナルトを守りたいと願う。
 狂おしいまでに歪だ。
 誰かを信頼したいと、人間(カトナ)は希うが、同時に、化物(カトナ)は誰も信頼しなくていいと思う。誰かを殺したくないと願えば、ナルトの為なら殺さなければと考えてしまう。
 
 権利と義務。
 正常と異常。
 弱者と強者。
 少女と忍者。

 相反する顔を持ち、それら二つは分かちがたいほどに混ざってしまった哀れな子供。カトナ。

 人間であるほうが叫ぶ。
 『誰も殺したくない』と。『大切な人を―サスケを失いたくない』と。

 化け物であるほうが叫ぶ。
 『はやく殺さなければいけない』と。『ナルトの大切な人を救わなければ、ナルトを悲しませると』と。

 だから、カトナは感情のままに泣き叫びながらも、必死に白を殺そうとする。殺さなければ救えないから、殺さなければ許されないから、殺さなければ治せれないからと、そういって、白へと薙刀を振り下ろそうとしたカトナを見て、サクラは感情のままに怒鳴りつけた。

 「あるかもしれない未来と今!! どっちのほうが、大事だと思ってんのよ!!」

 人間が泣き叫ぶ。
 今だと、サスケを失わない未来を得るためにも今だと。
 化け物が怒り狂う。
 未来だと、ナルトが悲しむ可能性を排除するためにも未来だと。

 カトナの体から、感情が吹き荒れる。チャクラが体を焼き、暴れ、灼熱が全身を襲う。けれど、心は冷たくて、痛い痛いと泣き叫んでいて、その涙は止まらなくて。

 たすけて、と。
 人間の方が声を漏らしたその瞬間。
 
 サクラがカトナの肩を掴んで、抱きしめた。




 「おねがいだから、さすけくんを、たすけてよぉ」




 私のチャクラコントロールじゃ、駄目なのよ。どんなに修行しても、どんなに頑張っても、私のチャクラコントロールじゃ、まだ軽傷しか治せない。あんなに傷ついて瀕死になったサスケ君を、助けたくても助けれないのよ。私が弱いから、サスケ君を治せないのよ。ねぇ、あんたなら、強いあんたなら、治せるんでしょ? なら、サスケ君を助けてよ、なおしてよ。私はあんたの気持ちがわかんなくて、あんたが何であの人を殺さなきゃいけないかわかんないけど、でも、それでも、我儘だってわかってるけど、サスケくんを、助けてよ、お願い、おねがいだから。

 溢れるその言葉を、思いを、何も言えず、紡げず、サクラは震える手でカトナの肩を掴んで、ぐしゃぐしゃの顔で泣くものだから、その姿が、弱者だったころのカトナによく似ていて、人間のカトナの思いが溢れてしまって。
 化け物の声が、おくふかくに、しずんでしまったのだ。

 薙刀をとり落とし、九つの尾が沈み、体が人間の物となってすぐさま、カトナはサスケに駆け寄り、サスケの体に触れて
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