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仮想空間の歌う少年
11ーSchr?dinger's cat
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?」
「ラフィン・コフィンをまだ…覚えているか…?」

ラフコフ…それは…

「ああ、覚えてるよ。それは君も知ってるだろ?…僕はラフコフのメンバーと…まあ、リーダーの方と組んでいたからね…。」
「さっきラフコフらしき奴をみたんだ…おそらくそいつが死銃。
でも名前を思い出せない…!」

キリトは苦しそうに僕を見る。僕は少し真顔で。

「…僕もあったよ。恐怖で歌を忘れるくらい。人殺しのオーラが出てからね。僕と同じさ。」
「え?」

僕は言葉を紡ぐ。

「だけど、思い出せないのは僕も同じだけどね。
…もしも僕はそいつが死銃で。僕の大好きな人を狙っているとしたら。」

僕は笑っていた。だがこの笑顔は冷笑だったのだろう。
キリトが一瞬引いていた。

「…何をするかわからないぜ?」

その後僕は、呆然とするキリトを置いて。病室を後にしようとしたが。

「それって…また人殺しをする気か?」

キリトが震えてそう言う。僕は振り向く。

「それはさすがにしないよ。僕はもう人殺しなんか出来ない。」
「なら…!」
「だけど護ることは出来るよ。」

僕はさっきとは違う笑顔。いつもの笑顔でキリトを見る。

「僕は…もうあの時『俺』が言った過去の自分のようにハサミで人を殺す僕じゃない。…もう誰も傷つけない。例え…あいつが傷つけられそうになっても僕は護る。殺す以外の方法でね。」
「佳…。」
「キリト…いや、和人。お前『俺』と同じ事に苦しんでるだろう?まあ、あの世界の事だろうね。」
「…」
「これだけは言っておくよ。…人は壁を越える方法はいっぱいあるんだ。目的地もいっぱいね。僕も目的地に着いてない。だからまだ歌が歌えないんだろうね。
…安岐さん!すみません。これはオフレコで!」

僕はこの話を黙って聞いてた安岐看護師を見る。安岐さんはしぶしぶと言った感じで。

「わかったわ。…それにしてもとんでもない物を持ってるわね。君たちは…」
「…それが僕ですから。」

僕は今度こそ病室を出て行った。
国立病院を出ると雨が降っていて。仕方なく折りたたみ傘を使い。僕は雨の道を歩いていた。一週間後にBOBの決勝がある。それまでにリズム感を…無理なら工夫するためにいろいろ道具を用意しないと。

「ラフコフか…」

僕はあいつらの事を思い出していた。…嫌いだ。彼らが。人殺しをバーチャルで楽しいと言っている奴らが。

「あの時…逃がさなきゃ良かったかな…。」

SAO時代。ラフィン・コフィンの討伐戦があった。殺すのではなく、捕らえるための。
だか無力化するはずが、ラフィン・コフィン側の不意打ちで乱戦になった。

「なんで…逃がしたんだろう…僕は。」

赤眼のザザ。ラフィン・コフィンの幹部の
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