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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百八十六話 救援
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艦隊は全滅か降伏していただろう。全艦乗組員を代表して来援を感謝する」
ラインハルトとしても今回は非常に危なかったため、姉上に会えるように助けてくれたロイエンタールには彼としては珍しく謝意を述べる。

そんな彼の精神を逆なでするような言葉がロイエンタールから発せられた。
『なに、テレーゼ殿下とケスラー閣下から卿の艦隊は危ういから面倒見てくれと頼まれたからこそ、間に合ったに過ぎないので、礼は殿下と閣下に言って頂ければ幸いだ』

途端にラインハルトの顔が引きつり歯を噛みしめる様な音がする。
「殿下と、ケスラー大将とは・・・・・・」
『シェーンバルト少将どうかなさったかな?』
ロイエンタールもラインハルトの噂は聞いているのでニヤリと挑発した様な感じで話す。

「いやなんでもない、兎に角、卿に助けられたのだ、改めて礼を言う」
『気にせんでくれ、俺だけじゃなく、ケンプ、ルッツ、アイゼナッハ、ファーレンハイト、ワーレン、ミュラーも参加しているのだからな』
「そうか、卿等のお陰で帰って来られた事を感謝する」
そう言うラインハルトで有ったが、顔は笑っておらず、素千匹の苦虫を噛みつぶした様な顔であった。

通信が終わると、ラインハルトは素手で柱を殴りつける。慌てたキルヒアイスがラインハルトの手を見ると皮膚が破れてうっすらと血が滲んでいた。
「くそう、またしてもケスラーか!」

ラインハルトの意識を別のことに逸らそうとキルヒアイスはアンネローゼの事を話す。
「ラインハルトさま、こうして無事帰還できるのですから、アンネローゼ様も御喜びになると思います」
「そうだな、姉上に会えるように助けてくれたのだから、今回ばかりは感謝せねば成らないか・・・・・・」

「ラインハルト様は負けた訳ではありません、又一つ経験を積んだのですから」
「キルヒアイス、判ってはいる判ってはいるが、今回の事も、あの小娘とケスラーにはお見通しで俺にお守りを付けただと、この俺にお守りをだ!俺は遠足で迷子になる幼稚園児じゃ無いのにだ!」

結局の所、ラインハルトの苛つきは要塞へ着くまで消えることがなかった。苛つきとテレーゼ、ケスラーに助けられたと言う屈辱で頭が一杯のラインハルトは本来であれば、戦死者の余りの多さに愕然とする所をすっかり忘れていたのである。更に普段ならそう言う事に気がつくキルヒアイスもラインハルトに着きっきりだった関係で、ケアを殆どしなかったため、生き残りの兵達から怨みまくられたのである。



宇宙暦795年 帝国暦486年1月31日

■イゼルローン回廊 ロイエンタール艦隊旗艦モルオルト

モルオルト艦橋ではロイエンタールとラインハルトの先ほどまでの話を聞いていた増援部隊の提督達がスクリーンを介して話していた。
「しかし、噂通りの
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