番外16『海坊主』
[1/9]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
アラバスタ王国近海。
そこで、2隻の船を8隻の船が囲っていた。
2隻の船は海賊船で、それぞれ麦わら一味を乗せたメリー号とMr.2ボンクレーの一味を乗せたアヒル船。対して、それを囲う8隻の船は海軍のもの。本来の麦わらとMr.2の地力からして8隻の船に囲まれようと囲いを突破することを大した苦としないのかもしれないが、今回は勝手が違っていた。
「くっそー、砲弾こい! 跳ね返してやるのに!」
「まったくジョ〜〜ダンじゃないわよーーうっ!」
「こんな鉄の槍を船底に喰らい続けたら沈むのは時間の問題だぞっ!」
その原因は、彼らの言葉通り海軍の攻撃方法が砲弾ではなく鉄槍であること。砲弾ならばルフィのゴムゴムの風船により弾けて、反撃にも転用できるのだが先の尖っている鉄槍ではそれが出来ない。さらに海軍が東西南北の4方向をそれぞれに2隻ずつで覆っており、2方向から4方向というさまざまな方向から鉄槍を放ってくることも彼らにとって苦戦を強いられている原因となっている。
「きたぁ!」
ナミの警告を促す声に、各船の戦闘員が小さく焦りの声を漏らしながらも迎撃する。
――が。
「何とかしてよあんたたち!」
結局防げるのは一面だけ。ルフィたちが少人数である以上どうしても手が回らない。別方向から飛来する鉄槍のすべてを防ぐことはできずに数本が船底に突き刺さった。それぞれが別タイミングであるならばルフィたちのことだ、簡単に防ぎきるだろう。
それが出来ないのはほぼ同時に鉄槍が飛来するから。離れたそれぞれの船が4方向から同時に鉄槍を飛ばすことは至難のはずだが、この海域を縄張りとする海軍本部大佐『黒檻のヒナ』により調練された艦隊による抜群の連携がそれを可能としていた。
なかなか脱出することが出来ず、それどころか船が沈没するかもしれないという状況に焦りを覚える彼らだったが、不意にその状況に変化が訪れた。
「ぐあ」
「ブラザーっ!」
ウソップが撃ちだした砲弾が、海軍の船の一隻に直撃した。それが、よほどの急所だったのだろうか。ただの一発だったが、その一発で船が沈没を始めた。しかもそれのそばにあった船も巻き込んで沈没事故を起こし、結果としてルフィたちを囲っていた一角が崩れて、道が開けた。
「ウソップお前か、すげーなー!」
「よ、よぉし、計算通りだ! 俺にかかりゃあんなもんああだぜ」
「鼻ちゃんすごいわ! やったわねえい! 南の陣営が崩れた! あそこを一気に突破よ!」
状況が好転したかと思われたのもつかの間、海軍大佐『黒檻のヒナ』が3隻の船を引き連れて登場した。慌てて南へと向かうことを提案したボンクレ―に対し、だが12時に東の港に仲間として現れるかもしれないビビを迎えるためにルフィたちは東へと向か
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ