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蒼穹のストラトス
質問−しゅうげき
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る川は、それなりに川幅のある場所で、大きな岩がどしんと構えていた。

(あの上で釣りをしたらさぞかし気持ち良さそうだな)

ここは釣り仲間の溝口恭祐が教えてくれた場所で、まれに珍しい魚が釣れるという専らの噂があるとかないとか……。兎にも角にもこんな素敵なポイントを教えてくれた恭祐には感謝しておかないといけない。
手土産に何匹か魚を献上しようかなどと考えながらさっそく手頃な岩から岩へと登っていき、一番大きな岩の上に着いた。
釣り針に今朝購入した虫餌を釣り針に通して、水面へと投げる。あとは、ぼーっと心静かに待つだけだ。

(はー、落ち着く……)

釣りというのは良いものだ。
広大な海というのもいいが、喧騒から離れ、山の中で一人身を静寂へと委ねるのもまた良い。
穏やかなときの流れの中、風の音と水の音に心癒され、しばし思考の空白を楽しむ。
それが一夏にとっての釣りだ。魚を釣ることも大事だけど、というよりも、小学校の時ではそちらの方がメインだった気がするが、最近釣りを再会してからはもっぱらこう思うようになっていた。

(とくにここ最近は訓練で忙しかったからなぁ……)

一夏はいずれ島に襲いかかってくるであろうフェストゥムの驚異に対抗するため、アルヴィスで訓練を受けている。
最初は同化のコントロール。次に急激に高まった肉体の違和感を無くすこと。そして━━

「っと、きたきた……」

少し値が張った釣り竿が数回引っ張られる。深めの川で姿はまだ確認できないが、力の強さからしてこれはいきなり大物だろうか?
幸先が良いことにうかれつつも焦らず慎重に竿のリールを巻き上げていく。

「おっ、おお……っと……こいつは……………おおっ?」

徐々に強まっていく獲物の力。その証拠に最初よりも竿がぐんぐんと曲がっていく。対する一夏は竿を壊さないよう移動したり竿の向きを変えてみたりと獲物を疲れさせようとする。
やがて、うっすらと浮かび上がる影が一夏の視界に入った。影の大きさは一夏の胴体くらい。とても川に生息できる生き物とは思えなかったが、兎にも角にも竿をぎゅっと握り締めてその瞬間を待ち望む。

「このっ………」

水面から見えるデカさに見合って、重量も相当なものなのだと理解していると竿の先端が今にも水面と接しようとしていたところだった。
━━仕方ない。奥の手を使うとするか……
竿と糸の強度具合を確認して、これ以上長引けば切れてしまいかねないと悟った一夏は、まず精神を統一させるかのように瞳をゆっくりと閉じた。
頭の中がクリアーになり、様々な神経、感覚、意識、思考がクリアーな世界の先にいる“彼女“と繋がる。
すると頭の中でこの状況と一夏、そして獲物の情報が繋がっていき、そして共有されていく。
どうやら獲物の疲労は溜まり具合
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