暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
下忍編
色眼鏡
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カトナは殺すためだけに爪を向ける。
 服を切り裂き、肌を切り裂き、心臓の表面に爪が触れ、それをゆっくりと、まるで時間全てが遅くなったように感じて知覚しながらも、目を見開いた白が、叫ぶ。

 「再不斬さん、にげてください!!!!!」

 その声が、霧の中に消えるよりもさきに、白の心臓に、爪が届く。

 そう思った瞬間、

 その声が、響いた。







 「ばかっ、となあああああああ!!」







 がんっと、体に叩き込まれた衝撃に、なすすべもなく、彼女はゴロゴロと転がった。
 吹き荒れていたチャクラが一瞬治まり、彼女の傷を治すべく、体を取り巻く。
 カトナの首筋に間違いなく当たり、彼女を死に至らしめる筈だったセンボンは、あらぬ方向に飛んでいく。
 白は、ぽかんと、カトナをなぐった子供を見つめる。
 自分と同じ年頃の、子供。
 見覚えがある。
 会話をしたのだろう。
 そうだ、その子供は。
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