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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
039 赤≠ニ白≠チて普通は目出度いはず… その2
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SIDE 平賀 才人

ドライグが因縁の闘いの第二幕を下ろして、早い事十数秒。戦線(?)は膠着の様相を見せていた。俺の戦法は基本的に後の先≠取るやり方なので、相手にも待たれると少しやり辛くなる。ヴァーリも俺がテクニックタイプだと悟ったのか、待ち≠フ体勢に入った。

(仕方ないか)

俺はドライグと云う強大なドラゴンを宿してはいるが、種族としては人間に属している。魔≠ノは属していないので、魔力をそのまま攻性エネルギーとして使う事は出来ない。俺が呪文や魔術を使用する際に使っているのは魔法力≠竍精神力≠ニ云われるエネルギーだ。

その魔法力≠魔力≠ノ転化する事も出来なくは無いが、その場合はどうしても無駄が出るので、今の場合に使うのはそれなりに下策と云えるだろう。

(……ならば、ドライグのオーラを借りるまでだ)

左の掌からドライグのオーラをほんの少しだけ出し、それを5つに分裂させてそれらを球状に加工する。……勿論これだけでは威力は足りなく、牽制にもならないのを承知している。

『Boost!』

『Boost!』

ヴァーリが倍加をむざむざと待っていたのは、ひとえに俺が目線や動作で牽制していただけで、本来ならヴァーリが魔力弾等で牽制してきたはずだ。

「こんなモンか。……往け“ドラゴン・シューター”」

倍加したオーラ弾を放つ。高々2回の倍加では牽制程度なので、“ドラゴン・シューター”には布石になって貰った。

「くっ!」

ヴァーリは魔力弾による弾幕を展開し、“ドラゴン・シューター”を相殺した。……ただ、ヴァーリが展開した魔力弾の数が多すぎて土埃が舞う。当然俺はこの機会を逃がさずに、にデルフリンガーで斬り込む。

「そりゃ、悪手だったな」

「っ!?」

仙術で気配を薄くして、“剃”でヴァーリの懐に入り込む。デルフリンガーを右薙ぎ気味に振るうがいつもの、独特≠ネ感触は少ししかなかった。……ヴァーリの──文字通り、超人的な反射神経で避けられた様だ。

左脇を抑えているヴァーリを見るあたり、完璧に避けられた訳では無さそうだが。……それは、ヴァーリを確実に斬る≠ツもりで(デルフリンガー)を振るった俺からしたら、慰み程度にしかならない。

「くっ…! ……ははっ、ははははははははははは!!」

「っ!?」

ヴァーリは直ぐさま魔力による治癒で傷を治すと、イイ笑顔≠ナ笑いだした。ヴァーリの予想のど真ん中を突き抜けたリアクションにびっくりしてしまう。

「……はは…ふぅ。いやはや、どうやら俺達は井の中の蛙だったようだぞ。アルビオン」

<だな。鎧≠纏っていないとは云え、ああ易々とヴァーリを剣で捉える事が出来
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